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「素晴らしい技術も、全ては皆さんを映画の世界に連れていくためのサポートに過ぎないと思っています」『猿の惑星/キングダム』ウェス・ボール監督【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年5月13日 8時0分

-今回は、現代から300年後という設定でしたが、これは“完全新作”を念頭に置いた結果ですか。

 その通りです。前作とのつながりが直接的過ぎると、シリーズなので、お金もうけのために作っているのかと思われてしまう(笑)。だけど、ある程度時間を開けたら、物語的にもいろんな可能性が出てきました。ミステリーも描けるし、ノアは世界のことを知らないので、いろいろなことを発見していく様子が描ける。レガシーであるシーザーが残したものがどうなったのかも描ける。そして人類の残した世界がどうなっているのか、エイプ(猿)たちはどんなふう進化したのか。そうした設定の根を見つけることによって、今までの作品に敬意を払いながらも、独立した1本の作品として見られるものにしたかったのです。もちろん、手掛ける前に今までの9作と比べられることは覚悟しました。なので、できるだけ他の作品と同じレベルにして、確かにこのシリーズの1本だと思われるような作品にすることを心掛けました。また、これが初めて見る「猿の惑星」という人にも入りやすい作品にしたつもりです。

-『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』(11)のルパート・ワイアット監督は、スタンリー・キューブリック監督の『スパルタカス』(60)を意識したと聞きましたが、今回意識した映画はありましたか。

 幸いなことに、参考にできる作品(過去の9作)が50年分あったので…(笑)。タイトルだけ聞くと意外に思われるかもしれませんが、メル・ギブソン監督の『アポカリプト』(06)です。それは復讐譚(ふくしゅうたん)という部分ではなく、外からやってきた人々に村が襲われて、そこから外に出た若者が、自分が想像していたよりも、はるかに大きな世界があることを知っていくという部分です。後は子どもの頃から触れてきたたくさんの作品が自然にこの映画ににじみ出てきていると思います。

-乗馬のシーンはちょっと西部劇のようでした。

 この映画の一部は西部劇のようなものです。最初に脚本家と話した時に、「きみは黒澤明のような映画が作りたいんだね」と言われました(笑)。黒澤の映画で僕の1位は『用心棒』(61)、『乱』(85)が2位です。『夢』(90)もとても興味深いです。とにかく面白い作品がたくさんあります。最初に触れた黒澤映画が『用心棒』でした。子どもの頃だったので、最初は「白黒かよ。何か古くさそうだし、字幕も付いているし…」と思ったけど、見たらめちゃめちゃいけてて、すごくモダンで、ジャズっぽい音楽も最高だと思いました。それで、映画というものがいかにタイムレスで、力を持ったものなのかということを知りました。

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