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「僕の持っている魂と心意気でこのヘルムも作れたらいいと思いました」『ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い』市村正親【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年12月27日 11時45分

-ヘルムのキャラクターについてはどう感じましたか。

 普通の親子ですよね。たとえ王様だろうが親子は親子だし、娘は娘だから。ただ、ヘラは娘だから息子とは違った親子愛が出ているなというジレンマは少し感じました。

-アフレコを終えた時は、どんな感じでしたか。

 もうクタクタでした。映像のヘルムの声と合わなかったら大変なので、迫力のある映像に対してかなり頑張ったという感じです。だから終わった時はもうヘロヘロでした。

-声の仕事の面白さと難しさについてどう感じますか。

 自分の体型がどうであろうと、自分の魂がその役になればできるんです。魂がその役になっていれば、ヘルムもできるしタラちゃんもできるみたいなことだと思います。俳優や声優のイマジネーションが役に反映していくのではないかと思います。そういう難しいことをするのが、俳優という仕事の好きなところなんです。僕は他人の人生を生きてみたいと思ってこの世界に入ってきたので。今回もヘルムという強烈な役だけど、目をつぶっていれば、疑似体験であっても自分がそこにヘルムとしていると言い切れるわけです。そこが楽しい。難しければ難しいほどトライのしがいがある。難しいからこそ前に行こうとするんです。

-舞台とこうした声の仕事の違いについてはどう思いますか。

 舞台もこういう声の仕事の時もお客さまのことは考えていないです。お客さまはお金を払って見に来て、自分の想像力を働かせるのだから、そこでああだこうだということはしません。やると芝居がうるさくなる。杉村春子さんは幕開きはとても小さな声で話したそうです。お客さまの想像力の中に入っていくという感じなのかな。僕もそういうふうにやっているから、お客さまが何人だろうが関係ないです。声を届かせるのはマイクで、それは音響さんがやってくれているわけですから。僕はそこで生きていればいいということです。

-今回のヘルム役は、「リア王」など、シェークスピアの舞台劇とイメージが重なるところもあると思いました。

 確かにシェークスピアをやっているような形でもできますよね。僕もシェークスピアは「ロミオとジュリエット」「ベニスの商人」「マクベス」「リチャード三世」「ハムレット」と、おいしいところは全部やらせてもらって、残っているのはもう「リア王」ぐらい。そう考えると、こういう役をやっていると、これは「リア王」なのかなと。「リア王」も親子の対立というか、父親と3人の娘との対立の話ですから。

-最後に映画の見どころを。

 やっぱり後半ですね。敵側のウルフを相手にして最後の力を振り絞って…というところは、かなりの見どころだと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)


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