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冷房の25℃と暖房の25℃、なぜ同じ室温にならないのか

ウェザーニュース / 2019年7月3日 9時0分

ウェザーニュース

蒸し暑さがつのる梅雨どき。そろそろエアコンが必需品となる時期です。

設定温度を25℃にしてエアコンのスイッチを入れても全く部屋が涼しくならない、という経験はありませんか? 冬に使った「暖房」から「冷房」に切り替えるのを忘れていると、25℃に設定しても、涼しくなることはありません。それはどうしてなのでしょう。

ダイキン工業株式会社・広報グループの重政周之さんに教えていただきました。

エアコンの働きは外気温によって変化

たとえば夏場で室温が27℃のときに「暖房」の「25℃」に設定した場合、エアコンは室内を25℃にしてくれるのでしょうか。

「残念ながら、してくれません。エアコンの暖房運転では、室温を下げる働きはないのです。冷風を出して室温を下げるには冷房運転が必要です。

また、室内機に内蔵された温度センサーの働きで、室温が設定温度に達しているとエアコンはこれ以上『頑張る必要がない』と判断します。そのためこういったケースの場合、エアコンはほとんど動きません」(重政さん)

ちなみに、湿度などの関係で夏と冬では体感温度も異なります。

「夏と冬で同じ室温になったとしても、特に湿度の違いで体感温度は変わってきます。湿度が高いほど体感温度は上がりますので、湿度の低い冬に比べると湿度の高い夏は、より暑く感じます。ですので、温度のコントロールに加えて、湿度のコントロールも重要になってきます」(重政さん)

温度が同じでも湿度が高いと暑く、低いと涼しく(寒く)感じます。湿度が高い夏場のほうが、低い冬場よりも暑さを強く感じるのです。

圧縮器で冷媒の温度を高めて外に放出しやすくする

エアコンは、ヒートポンプと呼ばれる仕組みで熱を運ぶ機械です。

冷房では、室内の熱を屋外に移動させて部屋を涼しくします。逆に暖房では、屋外の熱を室内に移動させて部屋を暖かくします。このように、同じエアコンでも冷房と暖房は、正反対の働きをしているのです。

熱を移動させるには、室内機や室外機に搭載された熱交換器と、それらをつなぐ配管を通る冷媒を用います。

冷房の場合、室内機の吸込口から取り込まれた空気中の熱を室内機の熱交換器で冷媒に乗せ、室外機の熱交換器へ移動させて部屋の外にはき出します。熱を奪われた空気が室内機の吹出口から放出されるので、部屋の中は涼しくなります。

暖房の場合は、室外機の熱交換器で集めた屋外の熱を冷媒が室内機に運んで室内に放出させます。

「『除湿』設定の場合も冷房時と同様に、熱交換器の温度は下がります。それは熱交換器を結露させ、空気中の水分を取り出し、屋外に排出するためです」(重政さん)

プロ直伝!エアコンの上手な使い方

7月に入り、いよいよ冷房や除湿の機会も増えてきそうです。最後に重政さんが使用時の注意点を教えてくれました。

「エアコンの室内機はフィルターを2週間に1回程度のペースで清掃し、ほこりを取り除いてください。あと、意外に見落としがちなのが室外機周辺の整理整頓です」

室外機のまわりに荷物などを置いておくと風通しが悪くなり、冷房時の室外機が熱を放出しにくくなるそうです。よしずを張るなど、室外機を直射日光に当てないことも効果があります。

熱中症予防のためにも、冷房を適切に使ってより快適な夏を過ごしましょう。

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