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桜が花ごと散ってる?意外な犯人とは

ウェザーニュース / 2024年4月7日 13時30分

ウェザーニュース

3月は寒い日が続き、例年に比べて桜の開花が遅れた今年ですが、4月に入ってようやくお花見が楽しめるところが多くなっています。

でも、ふと桜の木の下を見ると、舞い落ちた花びらだけでなく、まだ散る前の花弁がついたままの花がそっくりまるごと落ちているのを見かけたことはありませんか。時にはヘリコプターのように花が回転しながらひらひらと優雅に落ちてくるのに出会うことも。

実はこの「桜の花落し」、風でも虫でもない犯人がいるそうです。詳しい話を、スズメを中心に野鳥を撮影している写真家、中野さとるさんに伺いました。

桜の花を落としたのはスズメ!?

花を落とした犯人!?(撮影:中野さとる)

「桜の花をまるごと落としているのは、多くはスズメです。スズメが花ごと食いちぎって、花のつけ根に入っている蜜を吸っているのです。花の中にくちばしを入れるわけではないので、メジロなどのように花粉をくちばしなどにつけて受粉を媒介することもありません」と話す中野さんは、次のように続けます。

花を食いちぎって蜜を吸う(撮影:中野さとる)

「この行動は、ただ蜜を吸うだけなので『盗蜜』と言われています。花ごと食いちぎって、蜜を吸ったらポイ、というのは桜の花には気の毒ですが、スズメが花をくわえている姿はとても愛らしく、許してやりたくなります」(中野さん)

蜜を吸い終わったらポイ!(撮影:中野さとる)

確かに桜の木の下に花が落ちているのは見かけることがありますが、その犯人が身近な鳥、スズメのしわざだったとは驚きです。

ヒヨドリやメジロは蜜だけを吸える

ヒヨドリやメジロもスズメと同様に花の蜜を吸いますが、蜜の吸い方が全く違うようです。

「この時季は桜だけでなく梅や桃、アンズなどの花の周辺でヒヨドリやメジロを見かけます。都市部でも身近に観察できる鳥です。ヒヨドリもメジロもくちばしがとがっていて細いので、蜜を吸うときは花の根元までくちばしを差し入れて蜜だけを吸うことができます。しかし、スズメはくちばしが短く太いので、くちばしを差し入れることができずに花を食いちぎるという行動に出るのです」(中野さん)

スズメがどんなに花落しをしても、何万輪と花がつく1本の木で十数輪とわずかなものなので、桜の木にとってダメージはなさそうとの調査結果もあるといいます。

桜を見上げるときには花だけでなく、スズメにも注目してみてはいかがでしょうか。トランペットを吹くように花をくわえる、愛らしいスズメを見ることができるかもしれません。

参考資料など

取材/中野さとる氏(Twitter:@aerial2009、URL:https://ameblo.jp/onakans/)

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