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今が旬の「夏みかん」と「甘夏」は何が違う? 美味しいものを選ぶには?

ウェザーニュース / 2024年5月21日 5時10分

ウェザーニュース

いよかんやはっさくなどの晩柑の旬は過ぎましたが、この時期は甘夏や夏みかんなどの柑橘系類がスーパーなどの店頭に並びます。

甘夏と夏みかん、見た目も旬の時期も近いですが、何が違うのでしょうか。詳しい話を、野菜ソムリエプロの吉田謹子さんに伺いました。

夏みかん、本名は“夏だいだい”

「現在『夏みかん』と呼ばれるものは、1700年ごろに山口県長門市に漂着した果実の種を栽培してできたものと言われています。その後、明治時代に山口県萩周辺で栽培が盛んになり、その後、全国に広まって代表的な晩生のかんきつ類となりました。

『夏みかん』は、英語表記は“Summer Oranges”ですが、正式な和名を『ナツダイダイ』と言います。これは、実を収穫せずに置いておくと、次の年は前年の実がまだ付いているのにまた新たな実をつけるという変わった性質があり、『実りが代々続く』という意味で名づけられたと言われています。

一方、『甘夏』は、1935年頃、大分県津久見市の川野さんという方が夏みかんの突然変異種を発見して栽培したことから、正式には『川野夏だいだい』という名称がつけられました」(吉田さん)

夏みかん類は収穫後に貯蔵して酸味を抜く

夏みかん類は、酸味が強い印象があります。

「夏みかんや甘夏は酸っぱい! というイメージがあるかもしれません。夏みかん類の酸味は、収穫してから貯蔵し、時間を置くと徐々に抜けていきます。

特に甘夏は酸味の抜けが夏みかんよりも早いため、冬に収穫したものがこの時期に出回ります。これに対し、夏みかんは酸味の抜けに時間を要すため、本格的に出回るのはもう少し先になります」(吉田さん)

「甘夏と夏みかんを比べると、甘夏の方が若干サイズが小さく皮にツヤがあるのが特徴です。

甘夏は温州みかんと同じぐらいの甘さがある一方で、酸味も強く若干の苦味とあいまって、さっぱりと甘酸っぱい爽快感が味わえます。

夏みかんは甘夏よりも甘味が弱く、さらに酸味が強く感じられます。しかし、初夏にはこの爽やかな酸っぱさを美味しいと感じる人も多いのではないでしょうか」(吉田さん)

夏みかん、甘夏の上手な選び方

美味しいものを上手に見分けるにはどうしたら良いでしょうか。

「美味しいものの選び方として、重さとヘタの様子、皮のハリに注目してください。

ずっしりと重いものは果汁がたっぷりですし、ヘタが茶色くなったり取れてしまっているものなどは避けましょう。また皮の表面にハリがあるものを選ぶようにしてください。

夏みかんや甘夏は、シロップ煮やマーマレード、ゼリーやサラダなどに使うと、キレの良い酸味でさわやかな味が楽しめます」(吉田さん)

柑橘類の中でも糖分が少ない分、柑橘類の中でもカロリーも低めで、美肌効果があるビタミンCや疲労回復に効果があるとされるクエン酸、カリウムなどのミネラル類が含まれています。また独特の苦味はフラボノイド類のナリンギンという成分によるもので、抗酸化活性や抗炎症作用があるといわれています。

これから暑くなる時季、酸味の効いた夏みかんや甘夏を食べて爽やかに過ごしましょう。

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