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家計に優しいイギリス式10分間料理(イギリス式月収20万円で愉しく暮らす特集-4)

Woman.excite / 2015年8月14日 4時15分

写真

平均月収およそ24万円、イギリス人の暮らし方とは
家計簿より優先する「買い物リスト」って?
色分けクロゼット整理法の経済的合理性
 の続きです。


© Maksim Shebeko - Fotolia.com


イギリス人のライフスタイルには、お金に左右されない生き方のヒントがいっぱいです」と言うのは、100回を超える渡英経験のある作家の井形慶子さん。徹底してムダを排除する一方で、必要なところにはコストをかけるのがイギリス流のお金の使い方。そんな実例を、家事の中に見つけました。

庭師、ハウスクリーニング、季節ごとにプロに頼む合理性
家事にもメリハリをつけるイギリス人は、家事の一部はプロに頼む。約8割の母親がワーキングマザーだと言われているイギリスでは、ほとんどの家庭がお金を払って何らかの家事を代行してもらっている。

あるワーキングマザーの実態調査によれば、手取り月収17万円のうち、家事代行業者への毎月の平均支払いは約3万円だった。

井形さん自身、管理予算を月平均3万円前後に収まるように考えて、ローテンションを組んでプロの力を借りている。

「季節ごとに掃除代行業者を頼み、本棚や下駄箱、換気扇回りなど細かい部分の掃除はプロに任せています。プロと私の作業が雲泥の差があるということも、依頼してみて始めてわかりました。実際にプロの力を借りてみて、整然と暮らすことの幸せをしみじみと実感できています」(井形さん談)

日本の大手掃除代行会社によると、現在の平均客単価は2万円~3万円。売上はゆるやかな右肩あがりだそう。


テーマ別、週イチ、1時間掃除の快適
もちろん、日常の家事は、基本的に自分でする。それでも、ちょっとだけ視点を変えて家事をするだけで、グッと楽になるというアイデアも教えてもらった。

井形さんが30代に入った頃、東京に暮らすイギリス人エンジニアに料理を習ったことがあった。ほかの生徒とともに、彼の住む2DKのマンションに毎週通いながら目を見張った。というのも、平日は大手コンピュータ会社に勤務し帰宅が遅いはずなのに、彼の部屋は、いつ訪ねてもキッチンから寝室まで、どこも完璧に片づき、磨き上げられていたから。
 
「どうやればこんなきれいな家に住めるのですか?」と聞いてみると、彼は独身男性だけれども、ある掃除プログラムを実践してきたと教えてくれた。そのプログラムとは、教師として働きながら家事を切り盛りしてきた母親にならったもので、週1回、週末1時間だけ掃除をするというもの。

彼のカレンダーには、毎週土曜日の欄に「ゴミ捨て」「掃除機&モップがけ」「磨く」「漂白・消毒」などその日のすべきことが書いてある。ポイントは、週に一度の掃除を部屋別ではなく、作業別に分けること。

たとえばゴミを捨てる日は、タンスの奥の古着から冷蔵庫の賞味期限切れの食品まで不要なものをゴミ袋に放り込んでいく。家中の捨てるものを探すことに集中する。掃除機をかける日は床だけでなく、幅木や本棚など、ほこりがたまりやすい場所に特に気を使って細かくかけるといった具合。

「1ヵ月に一度、いや2ヵ月に一度でも丁寧に作業をやり遂げれば、床もバスタブも汚れにくいし、ほこりもつきにくくなる。あとは本でも食器でも出したものを必ず元あった場所に戻す。これさえ忘れなければ家をきれいに保つことは難しくない」と、彼は教えてくえた。独身男性でもできる家事。「それだったら、できそう!」実践したくなるアイデアだ


家計に優しいイギリス式10分間料理
家事のうち、大きなウエイトを占める料理も、井形さんはイギリスからヒントを得た。
 
「19歳の時、イギリスを拠点に世界中から集まった人たちと一緒にキャンプをしながらヨーロッパを旅して、『おいしい料理は必ずしも時間をかけなくてもできる』ということを知りました。」(井形さん談)

たとえばフランス、ブルターニュ地方でキャンプをした夜の夕食メニューはこんな具合。30代のアイルランド人看護師2人は、骨付きチキンに塩こしょうをしてバーベキューをしながら、沸騰した大鍋で目をとったじゃがいもと芽キャベツを丸ごとゆで始めた。その間、みんなの皿に缶詰のベークドビーンズを温めたものを盛り付けて、ボリュームたっぷりのディナーをわずか10分で作り上げていた。

また別の人は、バターを溶かした熱いフライパンに、ジャックナイフで皮付きりんごをどんどん切り落としていく。熱々リンゴのバターソテー、アイスクリーム添え。これにシナモンシュガーのパウダーを振りかければ、わずか5分でデザートの出来上がり! 

コツは、野菜はできるだけ皮をむかず、鍋やフライパンめがけて小型のナイフで切り落としていく。寒い日はそのまま煮込んだり、温かい日はさっと炒めたりという具合。
  
井形さんはこれを応用して、大鍋の上からきれいに洗った長ネギをキッチンばさみで直接切り落としてみそ汁を作る。豆腐も手のひらの上でさいの目に切るため、まな板を汚すこともない。

このほかに玄米、野菜の煮物少々にノリと納豆があれば充分! こんなメニューがベースで、週に一度、てんぷらなどの揚げ物やイタリアンなど少し丁寧なお料理を食べるというメリハリをつけた食生活を送っている。

「家族のために、毎日ちゃんとお料理をしなければ!」という呪縛から解き放たれるようなエピソードだ。メリハリをつけることで、罪悪感なく家計にも優しい食卓ができあがる。

次回は、井形さんがイギリスに通いながら見聞きした「お金をかけずに若さと美しさをキープする方法」を紹介します!

◇イギリス式 月収20万円で愉しく暮らす
(著者:井形慶子/講談社+α文庫) 定価:本体650円(税別)



(ライター:楢戸ひかる)
(楢戸ひかる)

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