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赤ちゃんをあおむけに寝かせるのは人間だけ? 寝かせ方で変わる知能の発達とは

Woman.excite / 2015年9月25日 4時15分

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赤ちゃんを寝かせるとき、特に意識せずにあおむけに寝かせる方も多いと思います。赤ちゃんのほうもそれで嫌がるようなこともなく、こうした光景はごく普通のことのように思えますが、実はこの「赤ちゃんをあおむけに寝かせる」ことが人間の知能の進歩に大きな影響を与えているのではないかという考えがあります。

どういうことなのかについて少し詳しく見ていきましょう。

© mykeyruna - Fotolia.com



あおむけ姿勢は人間に特有の現象
人間ならばごく普通の光景である、赤ちゃんのあおむけ姿勢ですが、実はこれは他の霊長類には見られない独特の特徴です。例えば一番人間に近いといわれるチンパンジーや、その他のサルについてみると、生後間もない赤ちゃんをあおむけに寝かせる種は存在しないのです。

そうした種の赤ちゃんは一人で行動できるようになるまでの間は一日中お母さんザルにしがみついたまま過ごすことが多く、お母さんザルのほうも子どもをしっかりと抱いて一日のほとんどを過ごします。

あおむけの状態に寝かせると赤ちゃんは四肢をバタバタさせて不安そうな様子を見せるのが普通なのです。


人間とそれ以外の霊長類についてその行動を比較すると、人間の赤ちゃんは生後5カ月目ぐらいであおむけの状態から左右の手で自分の足先をつかむという行動を始めます。そして7カ月目ぐらいにお座りを始め、9カ月目ぐらいからハイハイ歩きを始め、1年以上すぎてからようやくしゃがむようになります。

対して、例えば日本ザルの赤ちゃんの場合、産まれてから1週間程度で這うようになり、1カ月目ぐらいでしゃがみ、お座りをするようになるのはその後(生後4カ月目ぐらい)であるという違いがあります。

なお、人間の赤ちゃんが最初に見せるあおむけから手で自分の足先をつかむという行動は行いません。

このように、人間とサルとでは行動の発達の順番が違っています。人間はあおむけになってからお座りをするように、胴の部分で自分の体を支える姿勢になるような行動が先に出現するのに対し、サルは四肢を使って自分の体を支える姿勢になるような行動が先に出現するのです。


あおむけは知性発達の鍵
人間の赤ちゃんは5カ月目ぐらいからあおむけの状態になるため、他の霊長類よりも早い段階から2本の手を自由に使うことができるようになります。

そしてそれが、他の霊長類には見られない行動(指しゃぶりや手合わせ、そして足先をつかむという行為)をすることにつながっています。

このことは人間が他の霊長類にはない高度な知性を発達させるキーとなっており、人間の赤ちゃんは他の霊長類の赤ちゃんに比べ、物をつかんだり動かしたり積み上げたりといった、手を使って何かを取り扱うような動作が早くできるようになります。

また、人間の母親は赤ちゃんを床にあおむけに寝かせ、愛情のこもった視線で見つめたり、微笑んだり、いろいろと話しかけたりします。これは、実際には赤ちゃんを抱いていなくても心理的に抱いているというべき状態をもたらし、早い段階から赤ちゃんとの間で相互の意思疎通を行うことになります。

そして、このことは、表情や声を使った意思の伝達や言葉の学習になくてはならないことなのです。

このように、赤ちゃんをあおむけに寝かせるという独自の行為により、人間は知性を発達させるきっかけを得たと考える研究者は増えてきています。二本の足で立って行動する、という今までよく言われてきた行動よりも、あおむけに寝かせる、お座りをする、といった行動こそが人間が人間たる最初のきっかけなのかもしれません。
(子育ての達人)
(子育ての達人)

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