<Wコラム>韓国の激変と共に歩んだ「東方神起」ユンホの30年
Wow!Korea / 2016年5月17日 21時30分
この映画の中にとても印象的な言葉があった。それは、主人公が「つらい時代に生きて苦しみを味わったのが、子供たちでなく、自分たちで良かった」と言ったセリフである。主人公は朝鮮戦争のときに北から釜山(プサン)に逃れてきて塗炭の苦しみを味わっている。そうした親世代の苦労のおかげで、ユンホたちのN世代(1980年代後半に生まれた人たちはネットを駆使するのが得意なことからネット世代と呼ばれる)は、不自由のない暮らしができたのかもしれない。
そのことをユンホも感謝しているに違いない。
■「待つ楽しみ」を味わう
2012年8月に李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が竹島(韓国名は独島〔トクト〕)に上陸して以来、日韓関係が政治的に悪化したのはユンホにとっても心苦しいことであっただろう。
大衆文化は政治と切り離して考えるべきものだが、日本と韓国は近い隣国同士だけに、単純にそういうわけにもいかない。政治問題が文化や交流にまで影響するのが、戦後の日韓関係だったのだ。
それにも関わらず、「東方神起」は日本の根強いファンに支えられた。彼らの活躍は狭い政治の枠を飛び越えて、普遍の世界を築いていた。それこそが「大衆文化の底知れぬパワー」と言えるかもしれない。
そのように、日韓の呪縛を乗り越えた「東方神起」であったが、韓国の兵役法だけは素直に受け入れなければならなかった。その結果、ユンホは30歳の誕生日を兵役中の軍で迎えることになった。韓国でも少ないケースと言える。多くの男子は20代前半で兵役を終えているからである。
スターを夢見た頃から走り続けてきたユンホ。韓国の激変と共に歩んできたユンホ。今、30歳になったユンホだからこそ、兵役の中で悟れることが多いのではないか。20代前半ではまだ気づかないことが、一般社会から離れた軍の中にいると、様々にわかってくるに違いない。
ファンは今、「待つ楽しみ」を味わっている。ときには寂しいかもしれないが、「信頼して待つ」ことは、最愛の人への最高の励ましだ。
文=康熙奉(カンヒボン)
(ロコレ提供)
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