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<Wコラム>徹底解説! なぜ韓国時代劇はこんなに面白いのか(前編)

Wow!Korea / 2016年6月6日 23時5分

韓国時代劇は日本でも人気があります。日本の人たちは朝鮮半島の歴史に詳しくないのですが、それでもなぜ韓国時代劇が受けているのでしょうか。(写真:MBC「トンイ」公式サイトより)

韓国時代劇は日本でも人気があります。日本の人たちは朝鮮半島の歴史に詳しくないのですが、それでもなぜ韓国時代劇が受けているのでしょうか。それは、どこの国にも通用する人間ドラマだからです。前編と後編の2回に分けて、韓国時代劇の面白さの秘訣をさぐっていきます。

■時代劇制作の傾向

韓国時代劇の発展は、実に目ざましいものがありました。一連の流れを見ると、大きく3つの傾向があったと思います。

1つ目は、1990年代後半に生まれた『龍の涙』、『王と妃』、『女人天下』などの長編大作です。これらの作品は、朝鮮王朝の歴史にわりと忠実につくられたドラマでした。

朝鮮王朝の正式な歴史書は「朝鮮王朝実録」です。原文は漢文で、1993年にハングル版の翻訳が完成しました。このハングル版は、1日に100ページ読み進めたとしても、読み終わるまでに4年半かかるという膨大な書物です。

このハングル版の刊行によって、韓国の一般の人も「朝鮮王朝実録」を読むことができるようになりました。

冒頭の3作品以前の韓国時代劇は同じネタのくり返しが多く、人気も今ひとつという印象でした。そこに、「朝鮮王朝実録」の史実を反映させた大作ドラマが立て続けに登場し、人気を博すことになったのです。その結果、時代劇の好企画が多く生まれ、人材も多く投入されるという好循環のサイクルに入ります。

■“ファクション”時代劇の隆盛

2つ目は2000年代に入り、それまでの大作主義から離れ、歴史に埋もれていた女性や身分の低い人を取り上げた壮大な成長物語が作られたことです。

その好例が『宮廷女官チャングムの誓い』、『ファン・ジニ』、『トンイ』です。長今(チャングム)や『トンイ』の主人公の淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏は、「朝鮮王朝実録」に少しだけ出てきますが、韓国ではほとんど知られていない人物でした。そんな女性をヒロインに取り上げ、低い身分ながらも努力と創意工夫で自分の夢をかなえていく、という名作ドラマが生まれたのです。

3つ目は、従来の流れをそのまま踏襲するのではなく、新しいタイプの時代劇が登場したことです。『王女の男』が該当しますが、歴史的事実や王朝などの設定はきちんと時代背景に合っているものの、登場人物の中に架空のキャラクターを入れることで物語を大きく動かしています。

こうした作品はファクト(事実)とフィクション(創作)を融合させたという意味で「ファクション時代劇」と呼ばれます。

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