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<Wコラム>徹底解説! なぜ韓国時代劇はこんなに面白いのか(前編)

Wow!Korea / 2016年6月6日 23時5分

今やファクション時代劇が隆盛となっており、『太陽を抱く月』、『テバク』もそのジャンルに入ります。この傾向は今後もしばらく続くでしょう。

■現代の視点から過去を描く

タイムスリップを使って時代劇と現代劇をミックスさせた作品がいくつか登場しました。実はこれは、日本のドラマ『JIN-仁-』の影響なのです。あの作品が韓国でも注目され、「なるほど、こういう手法があったか」と、似た設定のドラマが韓国でも制作されるようになりました。

ただし、このパターンのドラマはどうしても企画が似通ってしまい、あまり成果を挙げているとはいえません。あくまで一過性のものであると感じています。

それより、『王女の男』のキム・ミンジョン監督や『太陽を抱く月』のキム・ドフン監督といった、若手・中堅クラスの有能な人たちが韓国時代劇を活性化させているという実感があります。彼らは経歴や業績に関係なく、新しい感覚で時代劇を作り、成果を挙げています。

過去の歴史に忠実に再現されたドラマは、テンポが遅かったり難しいセリフが多くなったりして、現代人はなかなか楽しめません。

その点、現在の韓国時代劇は現代の視点から過去を描くことが制作者たちのコンセンサスになっており、現代に生きる人たちのニーズを満たしているのです。

■葛藤を対立軸にする

朝鮮半島の歴史は、高句麗・百済・新羅による三国時代、高麗時代、そして朝鮮王朝時代と続きます。それぞれの時代についてのドラマが制作されていて、いずれも歴史の素材を面白く使っています。

特に、時代劇といえば何といっても518年続いた朝鮮王朝です。王の後継者をめぐり王宮内で数多くの事件が勃発しています。人間の欲望と権力志向がぶつかり合い、さまざまな葛藤が生まれていたのです。

その葛藤をうまく対立軸として活用することが韓国時代劇は巧みです。その場合、「正義と悪」という単純な二分法ではありません。

悪役には、そうならなければならない立場があります。たとえば、『王女の男』で主人公キム・スンユの親友でありながら、やがて裏切って対立するシン・ミョン。彼は自分の欲のためにワルになったわけではなく、家門の維持や父親の出世のためにそうせざるを得ないという事情があり、苦しんでいました。

いわば、自分のためにスンユを裏切ったわけではないのです。そこがシン・ミョンの苦悩であり、視聴者の情に訴える部分です。この対立はなかなか解決せず、結果としていくらでも話が広がることになります。

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