【個別インタビュー】パク・チャヌク監督、「BTS(防弾少年団)」RMやK-POPアーティストなど、若い世代がこの映画を理解し、好きだと言ってくれることはありがたいこと」
Wow!Korea / 2023年2月2日 16時8分
「外国語で演技をするとなると、せりふを音として完全に覚えてそれを発して演技をすることが多いのですが、タン・ウェイさんはこだわりが強く、私はそんな風にはできないと言って、実際に文法から韓国語の基礎から学んでいました。ですので、この単語はどんな意味なのか、このシーンではどうしてこの単語ではなくこっちの単語を使うのかということまで納得したいタイプの方でした。また、相手のせりふも理解して覚えて演技に臨むような方でした。ですので、きっと嫌になってしまうほど時間もかかるし大変な作業だったと思いますが、それをして臨んでくれました。彼女が発する韓国語は完璧に発音することができずにつたない部分があるので、誰が聞いても外国の方が言っているとわかるのですが、文法的に言えば完璧にできていました。劇中、彼女は時代劇を見て韓国語を覚えているので、普通の韓国人よりもむしろ優雅で品のある言葉づかいをしています。実際は文法の勉強から始まったのですが、先生を2人つけました。一人は文法をきちんと教える先生、もう一人は演技もできる先生でした。それから、演劇俳優である女性にすべて演技指導した上で劇中のソレが発するせりふを録音してタン・ウェイさんに渡しました。あとはタン・ウェイさんがどうして必要としたかわからないのですが、監督が言ったせりふもほしいということで、私は男ではありますがタン・ウェイさんが言うべきせりふをすべて録音して渡しました(笑)。相手役の方のせりふもほしいということで、パク・へイルさんが演じたヘジュンのせりふもすべて録音したものを渡して、彼女はずっとそれを聞きながら練習していました」。
パク・チャヌク監督イコール、“復讐”、“暴力”、“残酷”な素材の映画を作る監督として知られているが、本作ではそういった素材を封印して“愛”をテーマにした作品になっていることでも話題となっていた。監督は「今まで作ってきた作品のほとんどの作品はすべていろんな形での愛情が盛り込まれています」と語る。
「私が本作を作ったあとに皆さんとお話しをするとき、今までもそうであったように今回もまた新しい愛の映画を作りましたと言ったら、みなさん笑ったんです。でもそれは皆さんを笑わせようと思って冗談でお話ししたわけでは決してありませんでした。『オールド・ボーイ』は復讐劇の代表作と言われる作品ですが、その作品も愛情を描いていますし、それ以外の『渇き』や『リトル・ドラマー・ガール 愛を演じるスパイ』もそうですし、今まで作ってきた作品はすべていろんな形での愛情が盛り込まれています。実際そういう話をすると、なんでみんなが笑うのかと数年前から考えていました。考えてみると、その理由は暴力やエロティシズムという肉体的な表現が強くて、内面的な愛やロマンスといった感情的な部分を観客は忘れてしまうのだと思いました。なので、今回の作品ではみんなが『愛の映画を作った』と言ったら笑われることはないように、暴力やセクシャルな表現は抑えました。今回『別れる決心』という映画を作ったので、また『オールド・ボーイ』のような作品を作ったとしても、また新しい形の愛の映画を作ったのだと思ってもらえるようにしたいです。そう言ってもらえるのか楽しみにしています」。
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