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人情派・松本好雄オーナーがメイショウタバルで挑む皐月賞 石橋調教師、浜中騎手との浅からぬ縁

よろず~ニュース / 2024年4月13日 8時5分

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松本好雄氏

 競馬の魅力はいろいろあると思うが、その一つに馬と人が織りなすドラマがある。14日に中山競馬場で行われる皐月賞に出走する関西馬メイショウタバルの馬主は「メイショウ」の冠名で有名な松本好雄氏(86)。氏の言葉に「人がいて、馬がいて、そしてまた人がいる」があるように、人や馬との縁を大切にしているオーナーだ。

 牧場や競馬関係者からの信頼は厚く、馬を厩舎に預けても口出しはせず、調教師に一任。2013年の桜花賞で10着に敗れたメイショウマンボはオークスのクラシック登録がなかったが、武幸四郎騎手(現調教師)に「行かせてください」と直訴され、追加登録料を払って参戦を認めるなど情に厚いことでも知られる。ちなみにマンボはオークスを制し、2人は涙を流して喜んだ。

 メイショウタバルを管理するのは石橋守調教師、皐月賞でコンビを組むのは浜中俊騎手。この3人で挑むことは、運命的なものを感じずにはいられない。

 先日、松本好雄氏に話を伺う機会があった。タバルは牧場で一目ぼれをして購入することを即決。普段は自分で預け先を決めることはないが、内心、石橋調教師にやらせたいと思っていたようで、そのことを知った牧場関係者が預け先に決めたという。くしくも母メイショウツバクロのデビュー戦勝利は石橋騎手(当時)だった。

 松本氏と石橋調教師といえば、2006年に皐月賞、ダービーとクラシック2冠を制したメイショウサムソンが印象深い。皐月賞は当時騎手の石橋調教師にとってはうれしいGⅠ初制覇、松本氏にとってもクラシック初制覇。「武豊君や河内君(現調教師)の陰に隠れていましたけど、いぶし銀で大好きな騎手でしたね」となつかしむ。サムソンとの出会いがきっかけで、石橋騎手も調教師を目指すようになったそうだ。

 タバルを毎日杯で6馬身差の逃げ切りに導いた坂井瑠星騎手は先約があるため、同馬とコンビを組んで2戦2勝の浜中俊騎手にチャンスが回ってきた。不振にあえぐ時期もあったが、メイショウハリオとのコンビでダートGⅠを3勝挙げており、「僕は大好きなジョッキーですよ。縁があってハリオに乗るようになって。いい競馬をしていると思います」と評価していた。

 初勝利が3戦目、レース直前での競走除外、脚元の不安でレースを使えなかったなど、デビューから決して順調な道のりではなかったメイショウタバル。馬主、調教師、騎手とそれぞれに思うところはあるはず。浪花節が好きな記者は、その思いが通じることを楽しみにしている。

(よろず~ニュース・中江 寿)

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