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【著者に聞く】『リスキリングが最強チームをつくる』パーソルイノベーション Reskilling Camp Company代表・柿内秀賢

財界オンライン / 2024年4月27日 11時30分

『リスキリングが最強チームをつくる』柿内 秀賢 著 ディスカヴァー・トゥエンティワン 定価1760円(税込)

リスキリングをバズワードで終わらせてはいけない


 ビジネスモデルの変革や技術革新によって、働く人たちに求められるスキルが変わってきた。

 これからの時代を生き抜くため、ほとんどの会社がテクノロジー活用をキーワードに掲げている。特に企業がこれから圧倒的に重視するスキルは、データ活用とITプロジェクトマネジメントに集約される。つまり、働く人たちに求められるスキルはデジタル対応を含めたリスキリングだ。

 働き方が変わってくれば、リーダーシップも変わってくる。今、管理職に必要とされるリーダーシップの形が徐々に変わってきているといえよう。

 日本でも最近、従来のメンバーシップ型から海外で主流のジョブ型へ移行する企業が増えてきた。

 ジョブ型とメンバーシップ型では働き方が全く違う。年功序列で、報酬金額が仕事ではなく、人に紐づいているのが日本の伝統的なメンバーシップ型。一方、人ではなく、仕事に報酬金額が紐づいているのがジョブ型であり、同じ人でも仕事が変われば、報酬が大きく増減するのがジョブ型の特徴だ。

 わたしはジョブ型のスキルをもっと国内に持ってきたら、もっとうまくリスキリングできるのではないか? と考えて研究したが、現実はなかなか難しい。

 実際、ある会社で実験をしてみると、同じ職種、同じ部署、同じ給料でも、人によってやっている仕事のレベルと範囲が全然違う。ジョブ型の物差しをいきなり日本の組織に当てはめても反発が起きるし、うまくいかないのである。

 ここで感じたのは、メンバーシップ型の日本では、上司が部下の能力を把握していて、人によって任せる仕事を選んでいるということ。それによって、組織のパフォーマンスを最適化しているのが日本企業で、リスキリングを浸透させるためのキーマンは管理職。そのキーマンを抜きにして、組織をアップデートするのはほぼ不可能である。

「リスキリングというけど、何をしていいのかよく分からない」といった声をよく聞く。しかし、リスキリングなどよく分からないからと言って、リスキリングをバズワード(流行語)で終わらせてはいけない。

 日本企業にリスキリングは絶対に必要だ。生成AI(人工知能)などの普及によって、失われるかもしれない職種があり、日本人が大量にクビをきられるリスクがある中で、今後はリスキリングをバズワードで終わらせる会社と、きちんと対応した会社で大きな差が出ると思う。

 各企業がリスキリングに対して、どのような取り組みをしているのか? どの職種にどうやってアプローチしているのか? 成果をどう計るのか? こうした事例を皆さんにお伝えすることで、本著が組織変革のヒントになれば幸いである。

冨山和彦の「わたしの一冊」『日本企業はなぜ「強み」を捨てるのか』

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