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【主張】岸田文雄・新政権は企業の潜在力を掘り起こせ!

財界オンライン / 2021年10月8日 7時0分

「国のカタチ」をどうつくりあげていくか

「要は安定感。岸田新政権の誕生にホッとしている。日本全体においても良かったのではないか」というのが、自民党総裁選の結果を見ての大方の感想。

 この原稿を書いている9月29日、東京都内のホテルで開催された自民党総裁選は、岸田文雄・前政調会長が第27代総裁に選出された。10月4日召集の臨時国会で、岸田氏は第100代首相に選ばれる見通しだ。

 いま、国内外ともに課題は山積。日本国内は人口減、少子化、高齢化が続き、経済は「失われた30年」と言われるほど欧米諸国や中国、あるいはシンガポール、韓国などと比べても成長率で劣るのが現状。

異常気象、エネルギー問題に加えて、デジタルトランスフォーメーション(DX)で海外に後れをとる中で、日本の「国のカタチ」をどうつくりあげていくかという命題は以前から抱えていた。

 今回の自民党総裁選で、日本の課題はだいたい浮き彫りになった。岸田新首相も気を引き締めていかねばならない。


【自民党総裁選】新首相はまず、 国のビジョンを!



経済人が期待すること

「世界は依然として新型コロナウイルスに翻弄され、経済回復の遅れが生じている。米中関係の緊張は、関係諸国をも巻き込んだ対立へと発展し、国際秩序は不安定化しつつある。我が国は社会保障改革や財政再建など課題は山積し、まさに内憂外患」という認識をキヤノン会長兼社長(元経団連会長)の御手洗冨士夫氏は示し、「岸田新総裁は直ちに強力な内閣を発足させ、重要政策を果断に実行されるように求める」と訴える。

 政治の安定は不可欠――。

 御手洗氏は2006年から10年まで経団連会長を務めた。この間、小泉純一郎政権、第一次安倍晋三政権、福田康夫政権、麻生太郎政権と自民党政権が続いたが、首相の任期は約1年と短命。続く民主党の鳩山由紀夫政権までかかわった。

 産業界として政策を提言・要望する相手が1年ごとの短期で終わり、当時の”六重苦(超円高、重い法人税負担、経済連携協定の遅れ、柔軟性欠く労働市場、厳しい環境規制、電力不足とコスト高)”を解決できなかった苦い思い出がある。

 三井物産会長の安永竜夫氏は「政権交代の隙間を作らず、社会経済活動再開に向けていまから必要な施策をうっていくことが必要」と要請。優先すべき政策課題として「脱炭素と安定したエネルギー供給をいかに両立させていくか」と再生可能エネルギーの主力電源化、安全な原発の再稼働を訴える。

 また、外交面でも「自由で開かれたインド太平洋」を実現すべく、欧米やASEANを中心とする有志国連合と協調。「グリーン分野でも、日本がルールメーキングできる立場となることが大事」と述べる。

「国民の声を聞く政権」と岸田新首相は謳う。しかし、リーダーは時に苦い薬を国民に提示する場面が出てくる。GDP(国内総生産)の2倍の借金を背負う日本にとっては今がそのときではないか。

「日本復活のキーワードはレジリエンス力(耐力)と価値創造力だと思う」と訴えるのは、経済同友会の某副代表幹事。

「国力を決めるのは民間企業の価値創造力。コロナ禍で財政出動やむなしという空気になっているけど、今までも国のプライマリーバランス(基礎的財政収支)は赤字のまま。財政が大赤字のままでは、その価値創造も生まれない」と同氏は語る。

 今回の新総裁・新首相選びでは若手の声を聞き、若手の力をどう活用するかが1つの論点となった。

 東急不動産ホールディングス会長・金指潔氏は「自民党内には30代後半から40代にかけて『これは』という人材がいます。こうした若い人の潜在力を活用して欲しい」と訴える。

 日本の潜在力掘り起こしへ向けて、岸田文雄・新首相の決断力・実行力が試されている。

【経団連会長・十倉雅和】のサステナブルな資本主義・市場経済を!

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