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日本の解き方 「岸田VS麻生」と政権の命運 驚くべき「大宏池会」事実上の復活 総裁選で「新しい顔」選ぶか「破れかぶれ解散」に活路か

zakzak by夕刊フジ / 2024年5月8日 6時30分

4月に行われた衆院3補選で自民党は「全敗」したが、岸田文雄首相については「岸田降ろし」の機運は高まっていないようだ。衆院解散・総選挙は遠のいたのか。自民党総裁選に向けて岸田首相はどのような戦略を立てているのだろうか。

2022年7月に安倍晋三元首相が暗殺された後、岸田首相は、旧統一教会騒動を「安倍派(清和政策研究会)」の一掃に利用しようとしたフシもある。今回、「政治とカネ」問題を奇貨として、自らの派閥を解散しつつ、安倍派、二階派(志帥会)、茂木派(平成研究会)を解散に追い込み、一方で麻生派(志公会)は温存し、「大宏池会」を事実上復活させたのは、政治闘争としては驚くべき成果だ。政策より「人事をやりたい」とされる岸田首相の面目躍如といえるかもしれない。

補選で3連敗、低い内閣支持率など、墜落寸前にもみえる岸田政権であるが、好きな「人事」を自由にできるという充実感があるのだろう。

岸田首相は持ち前の〝鈍感力〟で、低い政権支持率を気にせず、訪米の成果などで底打ちすると思っているだろう。いずれにしても自民党内では、「大宏池会」しかないのだから、他の勢力には「岸田降ろし」の戦闘力がない。

その一方、「大宏池会」では、麻生太郎副総裁が事実上のキングメーカーであるので、その意向を無視することもできず、結局両氏の力関係次第で、解散・総選挙の日程が決まるだろう。

早ければ6月の国会会期末に野党からの内閣不信任案が提出され、それに乗じて解散・総選挙というシナリオはある。岸田首相としては、自民党と公明党で過半数さえ維持できれば「負け」ではないので、9月の総裁選で再選の目も出てくる。

しかし、麻生氏としては、立憲民主党の単独過半数はないにせよ、自公で過半数割れすることを警戒するだろう。なにしろ、麻生氏は09年の政権交代を引き起こした当事者であるので、トラウマがあるはずだ。

その場合、岸田首相を降ろして、「大宏池会」から別の候補者を立てざるを得なくなる。岸田首相による「6月解散」をさせずに、国会終了後、自民党総裁選を前倒ししてでも、岸田首相ではなく新しい顔で、総選挙に臨むと考えても不思議ではないだろう。

今回の補選3連敗は、この「岸田対麻生」の主導権争いでは、多少、麻生氏に有利に働くだろう。

しかも、「政治とカネ」をめぐり政治資金規正法改正を主張しながら、鳴り物入りの連座制も〝ザル改正〟になりかねない。そもそもトカゲの尻尾切りの会計責任者を置く段階で魂胆がバレている。政治家自身が会計責任者になれば済む話だ。そして外国人のパーティー券購入禁止はまったくのスルーだ。

となると、ここも麻生氏有利となる。岸田首相に残されたのは、首相権限をフル稼働させた「破れかぶれ解散」である。人事好きの岸田首相が、全衆院議員を〝解雇〟するという大ばくちの大ナタ人事、つまり解散を打てるのだろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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