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マッスルスーツを生み出した大学発ベンチャー:イノフィスとはこんな会社

財経新聞 / 2024年5月11日 17時23分

マッスルスーツ Soft-Power(画像: イノフィスの発表資料より)

 イノフィスのマッスルスーツ(腰の負担を軽減する装着型の作業支援ロボット)の導入が、着実にその裾野を拡げている。イノフィスは東京理科大学:小林宏教授が道筋をつけた、大学発ベンチャー企業。

 創業者(現代表は乙川直隆氏)でもある小林教授は「『動けない人を動けるようにする』ための装置の開発に2001年から取り組み始めた。通常の機械類と異なり人間が装着して使うロボットは、仕様書通りに作ることが完成ではない。マッスルスーツは現場の意見を取り入れ柔軟にトライ&ケアーと取り組み続けた結果であり、仕組みも形状もノウハウの賜物。真似できない技術が詰まった製品」としている。

 第1号は2013年、アサヒサンクリーン(現在2000カ所の拠点を構える、訪問入浴業者)が導入した。訪問入浴スタッフの「腰負担」はいまでも、問題視されている。

 イノフィスでは現状を、こう噛み砕く。

 「介護・農業・製造業・物流業・建設業・林業など幅広い業界で、身体的な負担の大きな作業(中腰・運搬作業)で導入されている」

 「マッスルスーツは空気圧を利用した人工筋肉による、強いアシスト力を発揮する。電力を使用しないため、様々な環境で使用することができる。外骨格型・サポーター型など腰をアシストする製品だけでも5種類のモデルを展開し、作業に合わせて最適な製品を選べることが強み」

 「導入目的は企業の場合、少子高齢化による人手不足の解決のために職場環境の改善や労働災害削減を目的に導入されることが多い。個人では農家などが、やはり高齢化による身体的負担増に対し今後も仕事を継続するために導入している」

 例えばトヨタ車体では14台を導入しているが「女性や高齢の技能員が増加する中、活躍し続けてもらうため、また腰に不安のある技能員も安心して働ける労働環境を整備するため」だったという。HPには複数の導入社(者)が紹介されているので、ご覧を・・・

 そして着目すべきは、新製品の開発が着実に進んでいる点だ。例えばサポータータイプのマッスルスーツ Soft-Power。要介護度の高い特別養護老人ホーム(砧ホーム等)や介護付有料老人ホーム(ALSOK介護など)の導入が進んでいる。夜間の排泄介助やベッド上での介助、入浴介助・移乗介助などに活用されている。

 イノフィスでは「シリーズ累計3万台を超える販売実績を活かし、従来品の改良・新商品開発と取り組んでいく。販売代理店経由で19の国・地域で展開も進んでおり拡充したい」と前を向いている。

 ところで創業者の小林教授は、研究・製品化に際し菊池製作所(東証スタンダード)からの融資も引き出している。起業家と呼ぶ資質にふさわしい。

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