特集2017年6月19日更新

ここまでできる!最新顔認識技術

機械が人間の顔を見分け、扉を開けたり、犯罪者を判別して追跡する・・・映画の中でしか見られなかった技術が、近年、どんどん身近なものになっています。技術が進歩していく一方で、安全性への疑問の声も多く上がっているのも事実。最新の顔認識技術についてのニュースをまとめました。

顔認識システム

「ロボホン」の新機能?

最近、こんなツイートが話題になりました。

ですが、実際は少し違うようで…

視覚障害を持つ人の目になる機能が搭載?

 シャープのロボット型携帯電話「ロボホン」が、視覚障害者の間で好評――こんなツイートが6月11日以降、話題になった。「すれ違った相手をロボホンが顔認識し、自分の代わりに見つけて知らせてくれる」などと書かれており、「そんな使い方もあったとは」「視覚障害者でなくても、顔と名前を覚えられない人に便利では」と関心を呼んだ。
 ただ、シャープによるとこのツイートには誤解があり、「すれ違った相手を顔認識して知らせる機能」はロボホンには未実装という。ロボホン開発陣は今回のツイートの反響を受け、そういった機能に「大きな意義ががある」と感じたため、すれ違った相手を顔認識して知らせる機能を備えたロボホン用アプリを、新規開発することにしたという。

先ほどのツイートへのシャープからの返答ツイートはこちらです。本当に搭載される日が早く訪れるといいですね。

顔認識システムとは?

デジタル映像の中から人の顔領域を抜き出し、データベースと照合することで個人を識別することができるアプリケーションのことです。1960年代から研究が進められてきましたが、近年、技術の向上がめざましく、テロ等の犯罪を防ぐシステムや、セキュリティシステム、遊べるスマホアプリなど、色々なシーンで使われています。

身近な顔認識

顔認識システムというと、スパイ映画のワンシーンのような、スケールの大きなシステムを思い浮かべる人も多いかもしれませんが、皆さんがご存知のあのアプリでも使われているんです。

SNOW

「スノー SNOW」は顔認識や写真加工に特徴がある動画コミュニケーションアプリであり、機能の独自性が利用者増加を呼んだものと考えられる。アプリストアでも「スノー SNOW - 自撮り、顔認識スタンプ、ウケるカメラ」と説明されている。自撮り写真を簡単に装飾(デコ)できることで知られている。

面白いアプリは色々試したくなるものですが、こんな実験(?)をしてみた人もいるようです。子供が泣きそうですね…

さてARカメラで、顔をどのように認識しているのか。ということでこちら実験ですが、単純に顔のようなものを「絵」でかけば顔として認識するわけではないようです。陰影・凹凸様々なものから顔と認識するわけですが、こちらは手のひらに顔を描いて顔と認識させております。これにより「SNOW」というアプリでは、顔を以下のように認識している。
・目鼻口がある
・立体的である
・肌色である
ちなみに、紙に書いた人間のようなものは認識しない。
テレビは認識する。

MAKEAPP

こちらは最近SNSでも話題になったメイク落としアプリ。「盛る」SNOWとは真逆の機能を持つアプリですが、こちらももちろん顔認識の技術が使われています。

 AIがメイクを無効化するメイク落としアプリ「MAKEAPP」が恐ろしいとTwitterで話題になっています。
 このアプリ、数ある加工アプリと同じく素顔にメイクを施すものかと思いきや、それに加えてワンタップで写真の人物をすっぴんに出来てしまう「逆メイク」機能が付いているのです。時間をかけて施されたメイクを一瞬にして無に返すこの恐怖のアプリ。さまざまな人物の「逆メイク」画像が投稿される中、「すっぴんまとめサイトができる予感」と恐ろしいにも程があるつぶやきまで……。頼む、化粧ぐらいさせてくれ!!

FaceApp

こちらは少し前にSNSでも話題になりましたね。もっと前にはMicrosoftの年齢を当てるサイトなんていうのもありました。

FacebookやInstagramで、妙にキレイに、またはちょっと不気味に、加工された顔写真がたくさん流れてて、気になっている方も多いんじゃないでしょうか。それは「FaceApp」というiOS/Androidアプリによるもので、これを使うと写真の表情を変えたり、見た目を若くしたり年取らせたり、性別を変えたりもできるんです。
このアプリの機能は、人工知能(AI)のひとつであるニューラルネットワークで可能になっています。ニューラルネットワークの手法では、コンピュータに数千、場合によっては数百万もの画像例を分析させ、特徴を学習させます。

Instagram

Instagramは公式ブログで「アイデア」を発表しています。
本日、私たちはカメラに顔フィルターを導入しました。ただのセルフィーが楽しく愉快になります。自宅のソファでも外出先でも、顔フィルターを使って自分を表現し、友だちと楽しく会話ができます。
Instagramアプリのカメラを開くと、画面の下部にさまざまなフィルターのオプションが表示されます。

おもちゃにまで搭載される時代に

ついに、今夏発売のおもちゃにまで搭載されるという未来感。1万円もしない価格の商品に顔認識が使われる時代になったんですね。

スマホ型おもちゃ「Mepodミー・ポッド」

株式会社セガトイズ(代表取締役社長:佐々木章人/東京都台東区)は、大人の間で流行しているフェイスフィルターを取り入れたスマートフォン型玩具「Mepodミー・ポッド」を、2017年7月20日(木)に発売することを決定しました。
顔認識機能をフル活用したゲームアプリも登場!
人気の神経衰弱などの通常ゲームの他、インカメラで顔を認識させ、画面に飛び出してくるスイーツに合わせてパクパクと口を動かすと食べているように遊べるオリジナルゲームアプリも搭載し、遊びの幅がさらに広がります。

犯罪抑止、防止のための取り組み

顔認識システムの活用がもっとも期待される分野が犯罪行為の防止や抑止ではないでしょうか。

身代わりによる飲酒運転なりすまし防止

使用者は、検知器をスマートフォンに装着したのちアプリを起動し、アルコール検査と同時に顔画像を取得する。その後、運転席にスマートフォンを設置して再度ドライバーを撮影することで、アルコール検査者とドライバーの画像とを照合して本人確認が行われる。これにより、アルコール検査だけを身代わりに頼むといったなりすましを防ぐことができる。
また、検知器が取得した呼気アルコール検査結果をスマートフォンに送信し、集計するアプリを開発した。ドライバーの安全管理者は、集計した検査時刻、アルコール検知の有無、端末IDなどのログデータをスマートフォンやPCに取り込んで確認できるようになるため、管理業務の効率向上や遠隔地でのアルコール検査の管理が可能となっている。

テロ対策

海外では、顔認識ソフトによるテロ対策計画を進めています。

人を助ける顔認識

人探しに使える顔認識

行方不明の子供を発見

検索大手・百度はこのほど、人工知能(AI)顔認証技術を利用し、行方不明の児童を初めて発見したと発表した。
百度と同サイトは今年3月に事業提携し、AIによる年齢操作を行った顔認証技術を行方不明の子供の捜査に用いた。尋ね人の6万枚以上の写真データを、百度の年齢操作を行った顔認証システムに登録。子供と両親がアップデートした写真を比較し、初期段階で疑わしき写真30枚を選び出した。

徘徊する認知症患者を探す

感知したい人を指定でき、また、ICタグを持ったり管理したりする必要がありません。その上、感知したときの情報がシステムに記憶されるため、感知したときの患者の服装も把握でき、万が一、行方がわからなくなった場合の手がかりにもなり得ます。
杉浦さんによると、利用者からは「個々人の識別ができるから便利」「何も持たせなくていいのが楽」などの声が聞かれているそうです。システムのことを知った患者家族からの要望を受けて、施設が同社に問い合わせることもあるといいます。杉浦さんも「徘徊を防ぐシステムの中では、顔認証が今のところベストに近いのでは」と自信をのぞかせています。

ペットの顔も認識

アプリの使用方法は、迷子になったペットの写真を PiP にアップロードして顔認識ソフトにかけると、近所で保護されたペットのデータと照会してくれる仕組みだ。また地域の動物病院や保護シェルターに迷子のペットを通知し、Twitter や世界最大の個人広告サイト「Craigslist」にも情報をシェアできるのである。
PiP の技術は、15年にわたり顔認識ソフトを手がけてきたデシク・ヤン博士によって開発され、データベースに照会すれば98パーセントの確率で犬と猫の顔を認識できるとのこと。

顔認識システムは安全?

安全性への疑問の声も

スマホの顔認識システムは簡単に破ることができる?

それはスマートフォンの画面に映った顔写真で顔認証機能を破れるか、というもの。Galaxy S8のフロントカメラに顔写真をかざすという、極めて簡単な方法である。
だが、Galaxy S8は顔写真を「持ち主の顔」とみなしたようだ。ロック画面からホーム画面への移行を許してしまったのだ。
なおカメラを利用した顔認証にはこのような、他人のなりすまし、あるいは本人が認証されないなどの問題があるため、スマートフォン向けの生体認証の手段としては現時点では主流とはいえません。Galaxy S8の場合も、Samsung Pay(支払いシステム)やセキュアフォルダにアクセスするためには指紋認証や虹彩認証が必要となります。つまり顔認証でのロック解除は、あくまでもお手軽なセキュリティ手段として採用されたのですね。

虹彩認証システムにも不安が

顔認識よりも精度が高いと見なされている、虹彩認証システムにもこんな気になる記事が…

 ドイツのハッキンググループ「Chaos Computer Club」(CCC)は5月22日(現地時間)、韓国Samsung Electronicsの最新フラッグシップ端末「Galaxy S8」に搭載された虹彩認証を、印刷した写真でだませたと発表した。
 デジタルカメラで撮影した顔の写真から目の部分を拡大し、Samsungの高解像度プリンタで印刷したものに、カーブをつけるために普通のコンタクトレンズを載せ、あらかじめその目の持ち主の虹彩を登録してあるGalaxy S8のカメラに向けたところ、ロックが解除された様子を動画で公開した。

どちらも同じスマホ機種の話とは言え、顔認識システムの精度に対して、少し不安を感じてしまう記事ですね。もちろんスマホの生体認証と、実際に犯罪防止等に使われるシステムでは精度も変わってくるとは思うのですが、まだまだ課題は多そうな技術ではあります。

札幌市で計画されていた顔認証の実験が中止に

JR大阪駅の駅ビル内に多数のカメラを設置し、通行人の「顔」を撮影して人の流れを調べる実証実験が予定されていたが、市民団体などの反発によって、延期される見通しとなっている。本来ならば4月から、顔認証技術などを使った実験を開始する計画だったが、抗議を受けて、第三者委員会で実験手法などについて議論することになった。

2014年に大阪で予定されていた実証実験が反発を受けて中止、その3年後となる今年3月に札幌で実験が計画されていましたが、やはり中止になりました。市民からの不安の声が一因だったようです。日本人にとって、まだまだ顔認証に対する警戒心や不安感は払拭されないということでしょうか。(ツイートのリンク先は会員限定記事となっています)

顔認識システムを取り入れる企業

セブン-イレブン

 店舗管理端末は、各店の経営数値や販売状況、新規商品、顧客、従業員情報といったビジネスやプライバシー上、重要な情報を管理するため、強固なセキュリティ対策が求められる。今回採用されたシステムは、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用している。店舗オーナーなどが、端末のカメラに顔を向けるだけでログインでき、IDやパスワードを入力する手間がなくなる。
顔認証技術はIDカードやID・パスワードによる認証方法と異なり、盗難や紛失などのリスクが少ないため、なりすましなどの不正利用防止に効果的だという。今回の顔認証技術は、NECの顔認証AIエンジン「NeoFace」を活用しており、同社の最先端AI技術群「NEC the WISE」の1つとなる。
 セブン-イレブン・ジャパンは5月30日、国内全店舗の店舗管理端末に顔認証システムを導入すると発表した。スタッフが顧客情報などを閲覧する際に顔認証でログインさせ、セキュリティ対策を強化する狙い。2018年春に約1万9600店舗に導入する。

Google

そしてグーグルはこのアプリの最新版に、これまで以上の認識機能を追加しようとしていることが明らかになった。ニュースメディア「Android Police」は、アンドロイド版「グーグルフォト」アプリの最新版を分析した結果、アプリ内で使用された顔認識の情報が今後、ユーザー同士で共有可能になる可能性について伝えている。
今後、グーグルフォト内でユーザーが「自分」であるとタグづけしたデータが、グーグルのコンタクトリストでつながった知人たちの間で共有されるようになるのかもしれない。この機能はアプリのオプション機能として導入され、知人同士が現在より迅速に、その写真があなたであることを認識できるようになることが想定される。

コンサートでの認証システム(ももいろクローバー他)

ももクロのコンサートは、本人確認では最先端を走っている。いち早く会員証にICチップを内蔵させ、本人確認を導入していたが、最近は顔認証を導入して話題となった。
まず、チケット購入時に顔写真を登録。イベントの入場時に専用端末で顔画像を読み取り、事前に登録した顔写真と照合して、本人確認を行う仕組みだ。すでにももいろクローバーZやMr.Children、B’z、福山雅治などが導入している。

各企業の顔認識技術

リオデジャネイロオリンピックでも使われた、日本の顔認識システム

NEC「NeoFace」

『ウォークスルー顔認証システム』は最初に一度だけ顔とIDカードを紐づける登録手続きが必要だが、わずか10数秒しかかからない。
そしていちどこの手続きを済ませておけば、あとはいちいちIDカードを取り出さなくても、システムの前を通り過ぎるだけで良い。
同システムは、今夏に開催されたリオオリンピックにおいて、リオデジャネイロに設置された「Tokyo 2020 Japan House」において実際に運用されたシステム
『ランニングポリス』はベスト型のウェアラブルカメラで、肩にに近い辺りにカメラが装着されている。
このカメラは常に周囲を撮影し、警備員の第3の目として、要注意人物がいないかどうかをチェックしているのだ。
撮影された映像は、例えば警備本部などに設置された常時解析センターに転送され、顔認識システムによって解析される。
もし、要注意人物を検出したら、すぐに現場の警備員のスマートウォッチに通知される。

海外の顔認識システム

Otsaw Digital「O-R3」(シンガポール)

「O-R3」は、監視ドローンとロボットカーを組み合わせたシステム。ロボットカーには顔認証およびナンバープレート認証機能が搭載されており、不審な人物やクルマを見つけ出し、追跡できる。
ロボットカーが追跡できない領域に侵入者が逃げた場合、ロボットカーは監視ドローンを発射。上空から侵入者の追跡を継続できる。

JIBO「Jibo」(アメリカ)

Jiboは、“話すiPhone”です。たとえば「熱があるから病院に連絡して」と話しかければ音声を認識して電話してくれるし、代わりにメールしたり、スカイプにもつなげてくれます。音声認識自体は、アップルのSiriもできます。ただ、Siriは複数の人が話していると話者を特定できません。それに対してJiboは人認識の機能を搭載していて、顔を覚えて、話者を区別できるところに強みがあります。ほかにも言語学習のソフトを載せれば、毎日Jiboと英会話の練習ができる。想像しただけで、楽しいでしょう?
●JIBO――家庭用アシスタントロボット「Jibo」を開発。顔認識機能によって家族区別ができる。また、自己学習することで、人間からではなくJibo側から話しかけることができるのが特徴。

Affectiva「Affdex」(アメリカ)

Affectivaは顔の表情を解析して、人のフィーリングを把握する技術を持っています。この技術を活用すると、映画の試写をしたときにどこのシーンで盛り上がるかを把握し、そのシーンをつないで作品をつくることもできます。病院での診察時の反応を正確に把握するなど、医療現場での活用も期待されています。
●Affectiva――人間の感情を認識するソフトを開発。深層学習を使って相手の感情を正確に識別することができる。ハリウッド映画では、観客が興奮する箇所を分析し、その場面を組み合わせるなどの取り組みも進む

PAL Robotics「Robocop」(スペイン)

 アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ警察は5月21日(現地時間)、初の「Robocop」を採用したと発表した。
 胸の部分に液晶画面(サイズは不明)があり、ここに地図などを表示できる。また、前後にカメラを搭載しており、顔認識機能を搭載する。登録済みの相手には名前で呼び掛ける。英語、ロシア語、中国語など数カ国語を理解し、話せる。
 Robocop搭載カメラの映像はリアルタイムで警察のセンターに送られ、記録される。主な仕事はパトロールや駐車違反の取り締まりになる。駐車違反については、胸の液晶から罰金を支払える。

顔認識システムは企業ごとにそれぞれ独自のアルゴリズムを開発しており、近年、様々な環境で使われ始めはしたものの、まだまだアルゴリズムについても確立はされていないのが現状のようです。これからもっと研究が進むことで、映画のような世界が現実になるかもしれませんね。