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ブリヂストン 走行中ワイヤレス給電が可能なインホイールモーター JAPAN MOBILITY SHOW 2023レポート

CORISM / 2023年11月2日 11時35分

ブリヂストン走行中ワイヤレス給電インホイールモーター

 

走行しながら充電できるワイヤレス給電インホイールモーターとは?


 

BRIDGESTONEブースで展示されていた電気自動車(EV)のインホイールモーターだ。インホイールモーターは車輪(ホイール)内に電気モーターが備えていて車輪そのものを駆動する。そのためドライブシャフトなどの駆動系パーツや動力伝達ロスが低減されると共に、車輪毎で駆動(動き)を制御することが出来るようになりクルマの動きが多様化することが出来る。

BRIDGESTONEでは、東京大学などと産学官連携で路面からインホイールモーターへのワイアレス給電に関しての展示があり、現在千葉県柏市で実証実験が行われている。

これは数年前から開発が進められているもので、BRIDGESTONEは「受電から駆動まですべてをタイヤのなかに」をコンセプトに、電気自動車(EV)のインホイールモーターへの走行中ワイヤレス給電を目指している。それが、「第3世代走行中ワイヤレス給電インホイールモーター」だ。

 



 

タイヤが異物混入を防ぐ、ブリヂストンならではの技術


 

これは、インホイールモーターの受電コイルと路面に埋め込まれた送電コイルがワイヤレスで繋がり充電されるものだ。

ただ、コイル間の距離が短いほど効率良いので、BRIDGESTONEでは送電コイルの設置された地面とホイール内部の受電コイルを近づけるため、タイヤ内部に中継コイルを増設して高効率の電力伝送を達成させる技術開発を進めてる。

また、送電コイルと受電コイルの間への異物の侵入をタイヤでガード。こうすることで、給電中に金属異物が混入した際に送電停止となるリスクが大幅に低減されのだ。

気になる人体への影響(感電など)はスマートフォンのワイヤレス充電と同様に、受電部と送電部が一定距離にならないと送電部に電源は入らないので、路面の送電部に人間が近づいたり触れたとしても電源は入らず、感電や電磁波?の影響を受ける事は無いそうだ。

 

 

走りながら充電できれば、充電待ちから解放!?


 

一般道では、信号手前30mくらいの路面に送電部を設けることで、日常では充電することなく走り続けることが出来るそうだ。

また、高速道路の速度域でも給電は可能で、将来走っていれば常に充電されている状態で家庭などでの充電が必要なくなり、数km毎に給電できるようになればバッテリーの容量や充電時間などで大きな制約を受けていた航続距離も小さなバッテリーで事足りる様になるかもしれない。

 



 

問題は山積だが・・・


 

現時点では、EV化の推進も不透明な部分があり、送電のインフラや給電の費用負担など解決しなければならない。また、インホイールモーターは、バネ下重量が大幅に増え、車重増にも直結。

さらに、1輪でもインホイールモーターが故障した時の安全性や、しっかりと走らせるための高度な制御技術、大幅なコスト増、ブレーキを含んだ熱対策などのデメリットもある。そのため、現時点では、インホイールモーターは採用するメーカーは、ほとんど無いのが現状。

その一方で、給電インフラがイッキに進めば、利便性の高さなどによりバッテリー容量を小さくでき車重も軽くできるなど、メリットも多く、インホイールモーター車が爆発的に増えること予想できる。

インフラ次第な印象は拭えないが、まだまだ問題は山積している状態だ。ただ、クルマの電動化を推進するうえで、非常に有効な技術。こうした技術を推進するためには、国がリーダーシップを発揮し、インフラを含め早期の対応をが必要だろう。

<レポート:河野達也

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