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遺産の分割協議がまとまらないという話をよく聞きます。事前にどんな準備をしておけばよいのでしょうか?

ファイナンシャルフィールド / 2024年1月22日 9時20分

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相続が発生すると、被相続人の財産を相続人が引き継ぐための手続きを行いますが、その中でも重要なのが遺産分割協議です。   遺産分割の内容は、相続人間の話し合いで決めることになります。ただし、各相続人の事情や相続人間の感情的な対立によって、話し合いがスムーズに進まないことがあります。また、裁判などに至るケースもあるので、できるだけ円満な相続ができるように準備しておきたいものです。   今回は、遺産分割協議がまとまらない事態を避けるために、事前準備のポイントを紹介します。

遺産分割の大まかな手順

相続の手続きにおける遺産分割は、遺言書の有無で手順が異なります。
 
まず、被相続人が生前に遺言書を作成している場合は、原則として遺言書の内容に従って財産の分割を行います。しかし、遺言書がない場合や、遺言書に記載されている内容が不十分な場合、遺産分割協議をする必要があります。
 
遺産分割協議は相続人全員での話し合いとなりますが、財産を分割する方法や割合について、なかなか決まらない場合もあります。話し合いが長期間続いたり、争いになったりするケースのほか、最終的に裁判所の介入が必要になることもあります。
 
その場合、裁判所において調停を行い、さらに調停でもまとまらないときは審判を受ける流れとなります。
 
裁判所の司法統計年報によると、令和4年の遺産分割事件は1万2981件あり、そのうち調停が成立したものが5729件、調停に代わって審判となったものが3791件です。裁判になると、いわゆる「争続」となってしまい、家族の関係も壊れてしまう危険性すらあります。
 

遺言書のメリット

相続での争いやトラブルを最小限に抑えて、遺産分割を円滑に進めるためには、事前の準備が不可欠です。中でも、相続対策として有効なのが遺言書の作成です。遺言書は、自分の財産を死後どのようにしたいか、その意思を残しておくための法的な手段であり、遺産分割において非常に有効な手段です。
 
遺言書には、大きく分けて次の3つのメリットがあります。
 

・被相続人の意思が明確になり、財産の分割が円滑に進む
・被相続人の思いを家族に伝えることで、家族内での対立や争いを未然に防ぐことができる
・遺言書があると原則として遺産分割協議は不要なため、相続の手続きが迅速に進められる

 
遺言書には、自筆で作成した書面に押印する「自筆証書遺言」、証人2人以上とともに公証役場にて公証人の下で作成する「公正証書遺言」などがあります。作成の手間や費用、遺言の内容の有効性が確保できるかなど、それぞれのメリット、デメリットを比べて作成するといいでしょう。
 

家族内のコミュニケーションや専門家への相談も有効

家族内で日頃からコミュニケーションを取っておくことも、相続の発生時に争いやトラブルを避けるためには必要なことです。相続人となる家族がそれぞれの状況を知っておき、希望や考えを共有しておくと、協議が円滑に進みやすくなります。
 
一方で、例えば兄弟の仲が悪い、疎遠な家族がいるといったケースではコミュニケーションが不足していることが多く、遺産分割協議でもめる可能性が高くなります。そのような場合は、前述のように遺言書を作成しておくなど、法的な対策が重要になるでしょう。
 
相続は法的な手続きですので、第三者の視点やアドバイスも有効です。相続について不安な点があれば、弁護士や司法書士、行政書士などの専門家に事前に相談し、適切なアドバイスを受けておくことも大切でしょう。
 

まとめ

相続において遺産分割協議は重要な手続きですが、相続人の感情が伴うことがあるため、協議がまとまらないケースもあります。
 
争いやトラブルを避けるためにも、遺言書を作成しておく、家族内で相続についての考えなどを共有する、専門家の協力を得るなど、事前に準備や対策をしておきましょう。
 

出典

裁判所 令和4年 司法統計年報(家事編)
 
執筆者:伊達寿和
CFP(R)認定者、1級ファイナンシャルプランニング技能士、相続アドバイザー協議会認定会員

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