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ヘルニアと診断され痛み止めによる保存療法でしのいでいたが…【ひどい腰痛も8割治る】

日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月24日 9時26分

【ひどい腰痛も8割治る】#12

 その患者さんは都内にお住まいの42歳の女性の方でした。1年半前に出産をされ、その時に腰に痛みを感じ、しばらくして自宅の近所の整体院で施術を受けたのですが、その日の夜になって、急に動けなくなるほどの激痛が腰に走ったといいます。

 腰痛といっても原因やその症状はさまざまです。この方の場合は患部の状況がはっきりしていない状況で、整体の施術を受けたことが結果として良くなかったと言えそうです。

 できれば整形外科で患部の状態を詳しく診ることができるMRI撮影を受けていれば……。当院のように360度のX線透過像をデジタルデータ化する機器を置いているところもあります。適切な治療で、激痛を起こすところまでいかなかったのではないかと、考えるのです。

 この女性は翌日、整形外科を受診。ヘルニアと診断されたそうですが、残念なことに具体的な治療はなく、痛み止めによる保存療法でしのぐというものでした。

 ちなみにヘルニアとは、椎間板の内部にある髄核というゼリー状の組織が飛び出して神経を圧迫してしまう疾患で、これが頚椎(けいつい)で飛び出せば「頚椎椎間板ヘルニア」で、胸椎で飛び出せば「胸椎椎間板ヘルニア」。そして腰椎で飛び出せば「腰椎椎間板ヘルニア」と呼ばれます。この方の場合は腰椎だったわけです。

 それ以来、定期的に痛みとともに太もものしびれがあり、半年に1回ぐらいはギックリ腰になりながらも、それでもそこまで強くつらさを感じることなく、過ごしてきたといいます。

 ところがここにきて急に痛みがひどくなり、当院に相談に来られたのでした。お聞きすると、いまは朝など起き上がる時に痛みがあり、特に前かがみになった時が痛く、ちょっとした荷物を取るなど少しでも加重がかかるとさらに痛くなるということでした。

 さっそく検査したところ、脊柱管狭窄(きょうさく)症と椎間板変性症との診断となり、わずかにヘルニアも見つかりました。さらに繰り返す腰痛の原因は、わずかにあるひび割れだということも判明。

 患部を特殊なジェルにより修復する、セルゲル法による施術を合計3カ所の椎間に実施し、さらに硬膜外には各種麻酔薬を注入して治療を終了することになりました。

 施術し1週間後は日替わりで痛くなる場所が変わるとの連絡。基本的には左が痛く、時々右側も痛くなるというものでした。当初あった寝起きの激痛が少し緩和されたというよりも、痛みの種類が変わったといったご様子でしたが、3カ月後には痛みはなくなり、半年後には症状もまったくなくなり、とても調子が良いとの報告を頂くまでに回復されました。

 今後の過ごし方として、力んだり強い力を出さなければいけない運動や、特にゴルフ、テニス、ボウリングといった片側だけに偏った動きをする運動は避け、その代わりに適度なウオーキングや水泳といった運動は、脊柱を安定させ柔軟性を高めてくれる運動としてお勧めしたのでした。

(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)

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