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【タイ】「男子、一生に一度は出家すべし」田舎の得度式に参加〈前編〉

Global News Asia / 2024年4月14日 6時0分

 2024年4月6日、タイの田舎で行われた得度式に参加して来た。日中の最高気温40度を超える中で行われたタイの伝統儀式について、その時の模様をレポートする。

 今回、得度式が行われたのは、私の妻の実家でタイ中部のサラブリー県。妻は5人姉妹で、今回3女の息子が出家する。そこで、私も手伝いを兼ねて参加することにしたのだ。タイ人男子にとって、出家は一生に一度はするべきとされ、人生で最大の親孝行ともなる重要なイベントだ。そのため、普段は離れて暮らす親族のほとんどが前々日の4日夜には揃っていた。出家の方法はいくつかあるそうで、私自身も一度髪を剃ったことがあるのだが、そのことについてはまた後日、別の機会にしよう。

 家の敷地に簡易の日除けテントが張られ、大型の扇風機が何台かフル稼働している。この数日タイではバンコクのある中部から東北、北部にかけて、連日日中の気温は38度から40度を超えるという酷暑が続いていてタイ気象庁からも高温警報(注意報ではなく! )が発せられていた。この日も体感気温では45度くらいになりそうな中で、来客用のテーブルを設置したり、振る舞うための料理の下準備が行われてた。

 4月4日に着いていた私は、前日5日の早朝、まだ夜も明けない午前4時頃に大音響で叩き起こされた。見るとトラックの荷台に設置された大型スピーカーから、大音量で音楽が流されている。それがまだ準備の前日から丸一日流された。しかし、近所から苦情などは来る事はない。誰もが見知った仲であり、自分の所でも同じ事をすることもあるのだからとわかっていて、誰も文句言うものはいない。許し合い、認めあい、そして、助け合う。人間にとって大切なことが、当たり前のこととして今に息づいている。

得度式当日

 6日の得度式当日も、前日に続いて午前4時に大音響で叩き起こされた。揃っていた家族親族も眠い目をこすりながら、参列者を迎える準備を始めていた。ポツポツと祝いに来た村人たちが揃った午前7時頃に、出家する当人が登場。彼自身は、前日から余計な雑事などする事を禁じられ、ほとんど自室に籠っていたようだ。両親や年長の親族に感謝の儀式を済ませると、剃髪が始まる。集まった人々が少しずつ髪を切っていく。全員が切り終わると、カミソリで短くなった髪を剃り落とすのだが、気がつけば彼の頭から血が滲んでいる。どうやら、カミソリの扱いが乱暴だったのか、何ヶ所か切ってしまったようで、見ていて痛々しかったが、すぐにキズ薬が塗られていたので、安心した。

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