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プロセスノードに加えて新技術も売り込む! Intelが半導体の「受託生産」で使う“武器”【後編】

ITmedia PC USER / 2024年4月26日 17時5分

 通常、新規のプロセッサ開発は工程の都合もあり、最短でも1年半~2年は掛かる。そのため、ファウンドリーは短中期において利用できるプロセスノードのラインアップを事前に明かしておく必要がある。ゆえに、今回のイベントではプロセスノードの短期的なロードマップも公開された。

 次節からは、上記のロードマップをざっくりと解説していく。説明の都合で、最下段の「Mature Node(成熟プロセス)」から見ていきたい。

●あえて「成熟プロセス」を提供するのはなぜ?

 Mature Node(成熟プロセス)は、「Traling Process」とも呼ばれる。パン氏の評価軸でいえば「コスト重視のプロセス」ということになる。もちろん、これは「安物を作るためのプロセス」という意味ではない。

 近代プロセッサの開発/設計/製造では、異なる種類の半導体を1チップにまとめる「チップレットアーキテクチャ」が台頭してきた。そのことで「そのプロセッサが提供する機能全てを、最新のプロセスノードで製造する必要はない」という思想が主流になってきている。

 チップレットアーキテクチャでは、半導体チップ(ダイ)を「ある程度の機能単位」で「適材適所の異なるプロセスノード」によって作ることが可能だ。「高クロックで動作する演算器ブロック」は最新プロセスノードで製造する一方で、それ以外をMature Nodeで製造し、それを1チップに収める――なんていう製造スタイルが、最近の高性能大規模プロセッサでは取られることがある。

 また耐久性を高める観点から、やや高めの電力を取り扱うインタフェース回路には、そこそこの微細度で古めのプロセスノードをあえて使う場合もある。

 Intelは当面、Mature Nodesとして「Intel 7」「Intel 16」「Intel 16-E」を用意している。2025年以降の将来には、同社がイスラエルのTower Semiconductorからの投資を受けた上で、ニューメキシコ州リオランチョにある「Fab 11X」に65nmプロセスノードを立ち上げる他、台湾UMCと共同で米国アリゾナ州チャンドラーにある「Fab 12」「Fab 22」「Fab32」で12nmプロセスノードを新設する。Intel Foundryの顧客企業は、これらのノードも利用できるという。

 Intel 7は、かつて「Enhanced 10nm SuperFin」と呼ばれたプロセスノードで、TSMCにおける「7nmプロセス」に相当するとも言われている。「7」の数字は、少なからずその“実態”を意識していると見られる。

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