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対中戦略 米ルビオ議員と連携せよ

Japan In-depth / 2018年10月22日 9時52分


▲写真 訪中したトランプ大統領夫妻をもてなす習近平国家主席夫妻(2017年11月9日)出典:The White House flickr


昨秋、訪中したトランプを習近平が、紫禁城貸し切り接待、「爆買いカード」で熱烈歓迎し、トランプが「感激」を繰り返し口にした時、「トランプは完全に中国に取り込まれた」と見切ったように批判した識者が多かった。トランプはしたたかな男で簡単に取り込まれないと論じた筆者は少数派だった。今や答は明らかだろう。


もっとも、政権がいかに対中圧迫に舵を切っても、法案と予算を握る議会が動かなければ、突破の範囲も限られる。その点、議会側でとりわけ注目すべき存在が、共和党のマルコ・ルビオ上院議員である。



▲写真 マルコ・ルビオ上院議員 出典:Gage Skidmore


ルビオは、中国の人権状況などを監視する超党派の「中国に関する議会政府委員会」(CECC)の議長を務めている。これは上院議員9人、下院議員9人、大統領が任命する政府幹部職員5人で構成される立法府・行政府の横断組織である。


10月10日、同委員会は、中国におけるイスラム教徒ウイグル人の弾圧を「人道に対する罪」とし、対外膨張を厳しく批判するなどした年次報告書(Chairs Release 2018 Annual Report)を公表した。直前の4日にペンス副大統領が、政権を代表して、中国の経済、軍事、人権問題全般を批判したのに平仄を合わせた動きだった。


なお、ルビオは尖閣諸島を明確に日本領と認めるべきだと主張してもいる(米政府の立場は、「尖閣は日本の施政権下にあり、安保条約の適用範囲内だが、最終的な帰属について米国は立場を採らない」というもの)。米政界において、日本が最も連携を確保すべき存在と言えるだろう。


ところが、先日外務省の最高幹部に聞いたところでは、日本の国会議員でルビオとコンタクトを持つ人間は一人もいないという。毎月のように訪米している河井克行自民党総裁外交特別補佐もルビオとは会えていない。


仮に日本にも「中国に関する議会政府委員会」のような組織があり、その代表(理念的に明確な人物でなければならない)が訪米すれば、ルビオは時間を割いて会うだろう。さらに広範囲に亘る連携の端緒ともなろう。議員外交に実あらしめるには、日本側にまず、厳しい対中姿勢でまとまった(できれば超党派の)組織が作られねばならない。



▲写真 西村康稔(左)、野上浩太郎(右)両官房副長官 出典:首相官邸ホームページ


トランプ・安倍の信頼関係は貴重な財産だが、それはあくまで一時の細い糸に過ぎない。首相の外遊時に必ず同行する官房副長官は、議員の中で最も首脳外交の現場に携わる機会が多く(その気になれば、親善行事の間に独自行動も取れる)、首相の登竜門ともされる重要ポジションだが、現在の西村康稔(衆院枠)、野上浩太郎(参院枠)両議員はいずれも存在感に欠ける。強烈な個性と明確なビジョンを持った米側のボルトン大統領安保補佐官とは比肩すべくもないのが現実だ。


トップ画像:マルコ・ルビオ米上院議員 出典:マルコ・ルビオ議員公式ホームページ


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