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原爆と終戦の描かれ方 「戦争追体験」を語り継ぐ 最終回

Japan In-depth / 2021年9月4日 12時18分

それでもなお、陸軍の一部が





「本土決戦をすることなく降伏することはできない」





と言い張ったのは、国体が護持される保証がないからであった。私は前々から、連合軍がせめて天皇の生命だけは保証する、という条件を示しておれば、原爆など使わなくて済んだのではないか、との思いを抱いていて、前にも紹介させていただいた『<戦争>に強くなる本』(ちくま文庫・電子版アドレナライズ)の中でも、そうした意見を開陳した。





しかしながら、それで連合国側の国内世論が納得したであろうか、との疑問もあって、「所詮たら、ればの話」では片付かない、なかなか難しい問題になってくるのだ。





話を戻して、この『日本のいちばん長い日』は、2015年にもリメイクされている。





オリジナルはモノクロ、リメイクはカラーだが、個人的には演出面など、オリジナルの方が好みに合った。ただ、あくまでも好みの問題なので、読者には、御用とお急ぎでなければ両方見ていただきたいと思う。





もっとも印象に残ったのは昭和天皇が登場するシーンで、オリジナルでは松本幸四郎(八代目。現・幸四郎の祖父)が演じたが、スクリーンでは後ろ姿しか見られなかった。やはり今上=在位中の天皇を役者が演じることには抵抗があったのだろうか。





リメイクでは本木雅弘が「顔出し」で演じ、酷評した人もいたが、私は「あり」だと思っていた。努力賞はやれる演技だったと、ブログに書いたものだ。偉そうに済みません笑。





それ以上にオリジナルで際立っていたのは、鈴木貫太郎首相を演じた笠智衆で、連合国側にポツダム宣言受諾の電報を打ち、昭和天皇の「玉音放送」を起草し……という手続きを淡々とこなしながら、側近に一言、





「大日本帝国の葬式だからね」





と呟くシーン。このように短い台詞に万感の思いを込めて見せ得たのは、さすが昭和を代表する名優だ。またまた偉そうに、と言われようが、やはり見事なものは見事なので。









▲写真 笠智衆さん 出典:玉名市ホームページ





この映画はいわば戦争を指導する立場にあった人々の物語だが、言うまでもなく敗戦は全国民に降りかかった問題であった。





空襲や原爆投下の悲劇や、戦時下の「少国民」たちの困窮ぶりは、多くの小説や漫画に描かれている。野坂昭如氏の直木賞受賞作『火垂るの墓』や、世界各国で翻訳・出版された中沢啓二氏の漫画『はだしのゲン』が有名だ。いずれもアニメ・実写版とりまぜて映画化されている。





最近では『この世界の片隅に』という漫画(こうの史代・作)の評判がよい。









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