アメリカはいま――内政と外交・ワシントン最新報告 その4 共和党が団結した
Japan In-depth / 2023年5月24日 18時0分
その背景として、いまのアメリカではトランプ氏が大嫌いという人も多数います。トランプ大嫌いというなかで一番お金を持っている人はおそらくジョージ・ソロス氏でしょう。彼はトランプ氏をやっつけるためにいろいろなことをやってきました。
そのソロス氏がニューヨーク州検事の選挙の際にブラッグ検事を応援している団体に100万ドルを寄付しました、そのうちの42万ドルがその団体からブラッグ検事に選挙資金として与えられました。巨額の寄付金です。この種の党派がらみの政治的要因が山積しているのです。いま共和党はトランプ氏起訴のその種の政治的動機を追及しています。
4番目に、起訴後に起きた意外な出来事というのは、共和党側が団結してしまったことです。
上下両院議員は、上院では民主党が1人ぐらい多い。下院は中間選挙で共和党が多数派を取りました。こういう問題が出てくると、同じ共和党でもトランプは嫌いとか、あまり好きじゃないという人がいます。
そのなかで共和党でもっともトランプ嫌いとされている大物の上院議員でミット・ロムニーという人がいます。この人は大統領選挙の候補にもなって、オバマ氏と戦い、負けています。モルモン教の人で、演説は上手だし、見かけもすごくいい。ただ、トランプ氏に対しては、2回目の弾劾のときに、弾劾してもいいという賛成票を入れたのです。
トランプ氏はこういうことは絶対に忘れません。だからロムニー上院議員とは対決を続けてきました。・ロムニー氏のほうも、もうトランプ氏は現役から退いたほうがいいんだということを言っていました。ところが今回はこのロムニー氏までがニューヨークの地方検事の起訴は不当である、政治的迫害である、民主党の活動家が司法機関を利用して共和党の大統領候補をつぶそうとしているのだ、ということまで述べて、民主党側を非難しました。
これはかなり意外でした。
(その5につづく。その1,その2,その3)
*この記事は鉄鋼関連企業の関係者の集い「アイアン・クラブ」(日本橋・茅場町の鉄鋼会館内所在)の総会でこの4月中旬に古森義久氏が「アメリカの内政、対中政策――ワシントン最新報告」というタイトルで講演した内容の紹介です。
トップ写真:トランプ元大統領の罪状認否の記者会見でのマンハッタン地方検事のアルビン・ブラッグ氏(2023年4月4日 アメリカ・ニューヨーク)
出典:Getty Images/Kena Betancur
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