米中のネオ・デタントが始まる?(上)【2024年を占う!】国際
Japan In-depth / 2024年1月1日 23時10分
もはや他言を要しないであろうが、中東や他の第三世界における兵器市場で、中国製はシェアを大いに伸ばしている。
兵器だけではない。
ガザ地区の戦役は、10月7日、イスラム武装組織ハマスによる、大規模な奇襲攻撃によって始まったのだが、どうしてこの奇襲が成功したのか、様々な理由が取り沙汰されている。
色々読んで見ると、やはり3年前から念入りに準備を進めてきたハマスに対し、イスラエルの側に油断があったと総括されるようだが、ひとつ面白いと思ったのは、ハマスは中国製の携帯電話で連絡を取りあっていたが、これがきわめて盗聴しにくいのだそうだ。
当方なにぶんITには強くないので、詳細までは正直よく分からないのだが、この情報がもし事実(あるいは、事実として広く喧伝される)ならば、通信機器の市場においても中国製が存在感を増すということが、十分考えられる。
そのような中国を、米国がどう見ているのかと言うと、実はこの秋頃から、軍高官を含む人的交流が復活して、これまでの「封じ込め路線」から、対話路線に舵を切りつつあるようにさえ見受けられる。
英国においても似たような動きが見られる。11月13日、スナク首相は国王陛下の外務・英連邦・開発大臣(外相の正式名称)に、キャメロン元首相を指名した。バイデン大統領は「中国びいき」などと称されて久しいが、キャメロン新外相も自他共に認める親中派である。
いずれにせよ米英は、ウクライナとパレスチナにおける戦役が、いずれも「勝者なき戦争」でしかないと見切った。この上、中国との軍事的対立が深刻化するのは御免だ、という考えに傾斜しているのだと、私の目には映る。
なぜそう考えるのか、そして、日本を含む東アジアにはいかなる影響があり得るか。
次回、もう少し深掘りしてみたい。
(下につづく)
トップ写真:建国74周年の国慶節(建国記念日)に先立つレセプションでの演説を終えて乾杯する習近平国家主席(2023年9月28日 北京)出典:Photo by Andy Wong-Pool/Getty Images
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
イスラエルがラファに投入する主力戦車「メルカバ」は世界屈指の破壊力
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月14日 16時56分
-
行進戦車たった1両!? モスクワで対独勝利式典が開催 新兵器の姿もあったけど…
乗りものニュース / 2024年5月11日 11時42分
-
プーチン大統領「核戦力は臨戦態勢」 対独戦勝式典で欧米威圧 軍事パレードの規模縮小続く
産経ニュース / 2024年5月9日 18時36分
-
プーチンの理性に期待する 「核のない世界」を諦めない 最終回
Japan In-depth / 2024年5月6日 23時0分
-
バイデン氏、ウクライナ支援法案に署名 数時間以内に兵器輸送へ
ロイター / 2024年4月25日 2時24分
ランキング
-
1スタバと一線を画す「ルノアール」。“特異なビジネスモデル”を確立も、業績が悪化するワケ
日刊SPA! / 2024年5月18日 8時53分
-
2上野飲食店経営者夫婦殺害、背景に首謀者への畏怖か 遺体処理から殺人も「断り切れない」
産経ニュース / 2024年5月19日 19時20分
-
3内閣支持率低迷26%、自民党の規正法改正対応「評価せず」79%…読売世論調査
読売新聞 / 2024年5月19日 22時0分
-
4「明るい子の印象。悲しい」19歳の女子大学生が殺害された事件 知人「ショックと言うか何で…」 26歳男を逮捕「包丁で彼女を刺して殺した」
MBSニュース / 2024年5月19日 17時50分
-
5「結婚後も女性皇族」賛成56% 「旧宮家男子を養子」拮抗 世論調査
毎日新聞 / 2024年5月19日 19時14分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください