父親にも「産後うつ」、悩みのよりどころに 信大病院医師が専門外来を新設
共同通信 / 2024年5月5日 17時3分
信州大病院(長野県松本市)の村上寛(むらかみ・ひろし)医師(39)が2024年1月、育児を始めたばかりの父親の心の不調などを専門とする「周産期の父親の外来」を新設した。早くも県内全域から20~40代が通い始め、ニーズの高さを実感。「『父親は強くあらなければ』と声を出せない人もいる。しんどくなったら頼ってほしい」と呼びかけている。(共同通信=富田真子)
「調子はどうですか」。3月上旬、村上さんは、診察室に入った30代男性に語りかけた。昨年7月に娘が生まれ、育児をする中で体調不良に。妻の助産師の紹介でこの外来を受診した。村上さんは初診でうつ病と診断し、抗うつ薬を処方。2度目の受診となるこの日は、薬の効き具合や症状を聞き取り、今後の治療方針について「服薬は続けて、1カ月後に再診してください」と話した。
男性が体調の異変に気付いたのは1月初めごろ。「朝起きるのがつらく、午前中は特に気分が落ち込んだ」と振り返る。周囲にも元気に振る舞えず「(子育てを)頑張りたくても頑張れない」と焦りもあった。「苦しい時に治療の道筋を具体的に立ててもらえて助かる。気分の落ち込みもなくなった」と話す。
村上さんは2021年春、母親の「産後うつ」などを診察する外来を始めた。多くの妊産婦と話した経験から「父母どちらかが産後うつになれば、もう一人の心も不調になりやすい」と考え、父親がSOSを出しやすいよう専門外来を新設した。
村上さんによると、母親の産後うつの特徴的な症状は「不安焦燥感」。父親に関する研究は遅れており、症状も個人差があるという。症例を分析することで「父親の苦しみの理由を解明することにもつながるのではないか」と期待する。
政府は男性の育児休業取得を促しているが、厚生労働省の2022年度調査によると民間の取得率は約17%と低迷。対応が遅れている企業も多く、父親が職場との板挟みになり悩むケースもある。
村上さんは「心の不調を訴える人は今後増えるのではないか」と予測。出産前から夫婦で育児への向き合い方や働き方を話し合うなど、産後の生活についてイメージをすり合わせることを勧めている。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
おうち病院「オンライン高血圧外来」を、世界高血圧デーに合わせて明日リリース
PR TIMES / 2024年5月16日 11時0分
-
母親の約3人に1人が産後のPMSがひどくなったと実感。夫や子どもの些細な行動にイライラし、自己嫌悪に陥るケースも。
PR TIMES / 2024年5月8日 16時15分
-
この質問をしないと病院で薬漬けにされる…和田秀樹「患者が医師に聞くべき"キラークエスチョン"」【2023編集部セレクション】
プレジデントオンライン / 2024年5月3日 9時15分
-
めまい、イライラ、倦怠感が続き休職。会社から「いつ来るの?」の催促が怖くて退職へ
OTONA SALONE / 2024年4月28日 21時1分
-
年間22万人が摂食障害で受診…急増する「過食症」は薬で改善できる
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年4月20日 9時26分
ランキング
-
1万引きかと思いきや…スーパーで新手の「詐欺」 女が3700円をだましとり逮捕 札幌市
STVニュース北海道 / 2024年5月18日 12時6分
-
2「トイレで出産した」乳児を自宅に遺棄、容疑の31歳女を逮捕 神戸・垂水
産経ニュース / 2024年5月18日 9時17分
-
3殺人疑いで男3人再逮捕、青森 被害者の元雇用主ら
共同通信 / 2024年5月18日 18時21分
-
4秋田市の住宅街近くでクマ1頭を捕獲
日テレNEWS NNN / 2024年5月18日 12時51分
-
5いったい誰が?万博「ミャクミャク」モニュメント、今度は落書き被害
毎日新聞 / 2024年5月18日 17時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください