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生体に近いヒトiPS細胞由来小腸上皮細胞モデルで、ブルガリア菌とサーモフィラス菌による腸管バリア機能強化を確認

共同通信PRワイヤー / 2024年4月24日 14時0分


【研究成果の活用】

 腸管バリア機能が弱まると、異物が体内に流入して血流に乗って循環し、諸臓器で慢性炎症を引き起こすことで、全身のさまざまな疾患(糖尿病、動脈硬化、認知症など)に繋がることが報告されています。従って、腸管バリア機能を強めることは心身の健康維持に非常に重要です。

 本研究により、より生体に近い小腸上皮細胞の生理作用評価系を確立することができました。また、両菌株を摂取することで腸管バリア機能を強化し、腸粘膜を保護する可能性を見出しました。当社は本評価系を活用し、今後もお客さまの健康維持のために有益な基礎的研究に取り組み、知見を発信することで、多くの方々が健やかに暮らす未来の実現に貢献してまいります。


【研究の目的】 

 これまで小腸上皮細胞に対する健康機能を試験管で評価するときは、主に単一の細胞からなる細胞株、あるいは複数の細胞が存在していても絨毛・陰窩構造を有しない細胞モデルが使用されてきました。しかし、これらは栄養素の吸収や薬物の代謝能、また構造上の理由から生体の小腸との乖離が指摘されていました。そこで、松永特任教授らの研究グループはヒトiPS細胞から、小腸に存在する細胞種で構成され、かつ絨毛・陰窩構造を有するhi-IOsを開発しました。本研究ではhi-IOsを活用して初めて乳酸菌の機能を評価し、その利用可能性を検討しました。

 実験では、既に小腸上皮様細胞であるCaco-2細胞※4を用いたモデル系において、腸管バリア機能を強化することが確認されているL. bulgaricus 2038株およびS. thermophilus 1131株を使用しました。

 本研究において、両菌株による腸管バリア機能改善作用をhi-IOsで評価可能か検討するとともに、新たな健康価値の探索を実施しました。

※1 外来の病原細菌や有害物質が体内に流入しないように腸管組織を保護する機能

※2 炎症反応を促進する生理活性物質

※3 腸の管腔側から体内に入り込むこと

※4 ヒト結腸癌由来の細胞で、培養することで単層の小腸上皮様細胞となる


学会発表内容

【タイトル】

腸管バリア機能に対する乳酸菌共培養効果のin vitro評価系の構築

(Development of an in vitro evaluation system for the effect of a co-culture between lactic acid bacteria and human iPS cell-derived intestinal cells on intestinal barrier function.)

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