ヘミングウェイ、フィッツジェラルドが愛したパリの書店
NeoL / 2020年2月14日 8時14分
書店と文化人は時に特別な関係を築くことがある。例えば芥川龍之介や梶井基次郎など多くの小説家に愛され多くの作品に登場した丸善書店や、谷崎潤一郎が店名を決めた春琴堂書店、近年では令和初の直木賞作家である大島真寿美が足繁く通っていた七五書店などが挙げられるだろう。
今回紹介する本のタイトルでもある『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』もその一つだ。
1919年にアメリカ人のシルヴィア・ビーチがパリで開店したシェイクスピア・アンド・カンパニイ書店は、アングロ・アメリカン文学とモダニズム文学の中心地となり、アーネスト・ヘミングウェイ、スコット・フィッツジェラルドなどの有名作家がこの書店で多くの時を過ごした。書店が破産の危機にひんした時、多くの作家が援助の手を差し伸べ、危機を脱したというエピソードからも、この書店がどれほど愛されていたかがわかるだろう。
本書は「文化人が集まるサロン」としての役割を担っていた書店で、どのようなドラマが繰り広げられていたのかを店主であるシルヴィア・ビーチ自身が語った回想録だ。世界的な作家たちの素顔、シルヴィアがジェイムス・ジョイスの名作『ユリシーズ』を出版するまでの苦闘など、20世紀文学の舞台裏が余すところなく記されている。
作家たちの交流の中から、時には彼らの作品と同じくらいドラマティックなことが起こることがある。文学の歴史に詳しい人はもちろん、そうでなくても一編のノンフィクション小説として楽しめるであろう1冊。
『シェイクスピア・アンド・カンパニイ書店』
シルヴィア・ビーチ
河出書房新社
Amazon
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/culture/
この記事に関連するニュース
-
5月16日は「旅の日」。6月に行きたい「源氏物語」をテーマに巡る[滋賀・京都]文学の旅
PR TIMES / 2024年5月16日 10時40分
-
本屋が仕掛ける、“ココでしか買えない”読書体験「華麗に文学をすくう?」6月1日(土)予約開始! ~双子のライオン堂と、書泉が共同プロジェクトで。全国の本屋でも販売したいです~
PR TIMES / 2024年5月15日 19時45分
-
黒鳥社初の翻訳書、ジョン・バージャー(著)、ジャン・モア(写真)『第七の男』5月15日刊行!
PR TIMES / 2024年5月15日 18時40分
-
作家のアリス・マンローさん死去、92歳…ノーベル文学賞を2013年に受賞
読売新聞 / 2024年5月15日 4時52分
-
元寇をテーマにした歴史大河小説。今村翔吾さんの待望の最新作『海を破る者』が発売決定
IGNITE / 2024年4月22日 18時0分
ランキング
-
1ワークマンの「機能的なサンダル」3選 2000円前後で買える、アウトドアでも活躍する優秀アイテム
Fav-Log by ITmedia / 2024年5月18日 9時55分
-
2煮物だけじゃない!スーパーフード並みの栄養価「切り干し大根」の意外な食べ方
週刊女性PRIME / 2024年5月18日 8時0分
-
3ヤマトHDを苦しめる「2024年問題」…大幅減益で株価も大幅下落(小林佳樹)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月18日 9時26分
-
4有毒植物の“誤食”に要注意 死亡例も 農水省が注意喚起
オトナンサー / 2024年5月18日 20時10分
-
5紫式部に好意をもっていたからではない…10年無職だった紫式部の父・為時を藤原道長が大抜擢したワケ
プレジデントオンライン / 2024年5月12日 17時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください