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保証金減額でもトランプの綱渡りが続く理由──預金口座や不動産の差し押さえリスクは続く

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月26日 15時35分

保証金減額の決定を受け、トランプは25日に納付の意思を表明。「控訴部の判断に従い、債券、有価証券あるいは現金で納付を行うつもりだ」と、自身が立ち上げたソーシャルメディア・プラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。

本誌はこの件についてトランプの広報担当者とニューヨーク州司法長官事務所にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。

MSNBCの法律アナリストであるリサ・ルビンは25日、裁判所は判断を記した文書の中で、地裁判決の一部条項の執行を一時停止するよう求めていたトランプ側の申し立てを却下したことを指摘。トランプの弁護団が以前に、この条項の執行停止の重要性を主張していたことから、これは重要な意味を持つと述べた。

 

「確かにトランプは今回、詐欺の民事訴訟での保証金が1億7500万ドルに減額された。だが一方で裁判所は、ニューヨーク州に登録する金融機関から融資を受けることを禁じる条項の執行の一時停止を求めたトランプ側の申し立てを却下した。これは重要な意味を持つ。トランプの弁護団は以前、保証金を確保するためには、この条項の執行停止が不可欠だと判事に訴えていたからだ。この条項の執行停止なしに、トランプが今後10日以内に現金で保証金を納付しなければならないのは厳しい」と、ルビンは指摘した。

資産差し押さえの準備か

保証金を納付できなかった場合、トランプは銀行口座を凍結され、資産を差し押さえられる可能性がある。その場合ジェームズの事務所は、すぐに資産の差し押さえを始めることはせず、まずは銀行口座の凍結を解除して、現金での支払いを可能にする措置を取る可能性が高い。

ジェームズはその後に、現金を取得するために不動産の差し押さえを行う可能性がある。彼女は既に、トランプが所有する140エーカーのゴルフクラブとセブンスプリングスの邸宅があるニューヨーク州ウェストチェスター郡に書類を提出済みで、このことはジェームズが資産差し押さえの準備をしていることを示唆している。


ナタリー・ベネガス


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