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草なぎ剛「褒められた事が成功体験で大きい」今あるのはキョンキョンのおかげ、29年ぶり共演

日刊スポーツ / 2024年5月5日 8時0分

穏やかな表情の草なぎ剛さん。撮影中にたくさんの思いや感情が詰まっているような空気感が印象的でした(撮影・横山健太)

いつも新たな顔を見せてくれる。21年には「ミッドナイトスワン」で「日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞に輝くなど、高い演技力が評価される草なぎ剛(49)。主演映画「碁盤斬り」(白石和彌監督、17日公開)では、冤罪(えんざい)をかけられ復讐(ふくしゅう)に燃える武士を熱演した。50代を目前に、自身の演技や経験に向き合う草なぎの言葉の端から実直な人柄が見えた。【加藤理沙】

★白石監督と奇跡のタッグ

NHK大河ドラマ「青天を衝け」以来の時代劇は、映画「孤狼の血」などで高い評価を受ける白石監督との奇跡のタッグで挑んだ。

「『白石監督初の時代劇』にすごく興味があって。僕が主演できてうれしいという気持ちが1番です。同じ時代に生きて、見てきた物も同じなので、自由に動けた。監督と同じ方向を向いている気がしてうまくいっていると感じました」

現場でも「経験したことのない、白石監督ならではの優れた技術があった」と振り返る。静寂と暗闇の中、精悍(せいかん)な表情で一点を見据えるビジュアルにも製作陣の魂が宿っている。

「監督はきめ細かくて『映画が好き』という気持ちがあふれ出ていました。ビジュアルも僕じゃないように思えて。汚れてボロボロで、青い炎のように燃え立つ汚れ感があって、逆に何か、輝きを増す報復心が出ているのかなと。照明もカメラも職人魂。京都撮影所のポテンシャルとクオリティーを最大限駆使した絵が撮れていると思います」

撮影の日々は「時代劇の荒波にもまれた1カ月」だった。完成を見た印象を問うと「しびれたね。ちゃんとやってたな。俺って賢いって思った」と満面の笑みを浮かべた。

「時代劇は改めて大変。準備に時間がかかるし、制限もある。だからこそ、その時代や装いになれる部分もある。膨大な時間と労力が注ぎ込まれる現場です」

主人公の柳田格之進は囲碁の達人で、武士の道理を貫く生真面目な性格。その生き方は碁を打つ指先でも繊細に表現され、國村隼演じる萬屋の亭主・源兵衛とは対極になっている。

「國村さんは男らしくパチッと打つ。コントラストを付けたくて、僕は碁石を挟んで回しながら打つ、繊細さを出しています。指先にも格之進の魂が宿るのでポイントの1つです。碁石を回す練習は宿泊先のベッドの横でもずっと続けていました」

「ボルテージを上げて、情熱を込めた」というクライマックスは、必死に刀を握り締める。

「どちらの首を斬るか、どちらが首を差し出すか。落語的な感じ。中川(大志)さんと國村さんの軽快なテンポとリズムでセリフをまくし立てる芝居を見て、ポテンシャルの高さを感じました。2人の熱量をお借りして、観客の方をドキドキさせたいと気持ちを込めました」

★29年ぶり共演に「感動」

今作に集結した豪華絢爛(けんらん)な顔ぶれの中、特に小泉今日子には並々ならぬ思いがあった。小泉と中井貴一がダブル主演を務めた、95年放送のフジテレビ系ドラマ「まだ恋は始まらない」で、草なぎは花屋の店員を演じていた。29年ぶりの共演に「僕とキョンキョンの2人が映るだけで感動しちゃった」と目を輝かせる。

「1時間で1シーンくらいしか出番のない僕を『剛くん良かったよ』『すごくいいよ』って、めちゃくちゃ褒めてくれて。そのうれしさが忘れられなかった」

★96年、シングルコーラス参加

小泉の影響か実態は定かではないが、草なぎの出演シーンは当初より増えたという。放送後も交流は続き、96年に小泉がリリースしたシングル「オトコのコ オンナのコ」には草なぎがコーラスで参加した。

「当時一緒のレコード会社で『剛くんの声が良いから声が欲しい』と言われレコーディングスタジオに行きました。僕の『オトコのコ オンナのコ』の声を使ってくれた。若い頃はすごくお世話になりました」

その後、バラエティー番組や歌番組での共演はありながら、芝居の機会はなかった。

「今回もいろんな思いがあって。今でもキョンキョンといるとドキドキしている自分がすごくうれしくて、昔のことも思い出して、いつまでもそんな気持ちにさせてくれる小泉さんに感謝しました」

勉強家でストイックな草なぎの演技は、多くの俳優や脚本家などが評価する。

「演出家の方、特につかこうへいさん、大杉漣さん、高倉健さんとの出会いも大きいですが、実はキョンキョンに褒められたことが成功体験として大きい。今大きな役を演じられるのもキョンキョンのおかげです」

★稲垣、香取と刺激与え合い

17年に旧ジャニーズ事務所(SMILE-UP.)を退所、稲垣吾郎(50)香取慎吾(47)と共同プロジェクト「新しい地図」を立ち上げた。23年には、連続テレビ小説「ブギウギ」、フジテレビ系「罠の戦争」、舞台「シラの恋文」に出演。作品に恵まれ「豊作だった! いろんな役が舞い込んできてうれしかった」と活躍を振り返った。

「お互いに出ている作品や音楽の話は本番中に話すことが多いですね。吾郎さんは朝ドラをずっと見ていてくれて、何度も『良かった』と言ってくれるんです。ちなみに、慎吾ちゃんは自分が主題歌を歌っていた『罠の戦争』は全部見たって(笑い)」

「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く“戦争シリーズ”の第3弾、6年ぶりに民放ドラマで主演を務めた「罠の戦争」では番宣番組で多くのバラエティー番組にも出演。「久しぶりで緊張しましたよ」と明かした。

「テレビにほとんど出なくなった時期、テレビ局自体にも行かなくなったので。『フジテレビ、こんな所だったんだな』って。ずっと長い間見てきた場所も、久しぶりでソワソワしました。こんなに光っているのかと。大きなスタジオの照明がピカピカして、改めてテレビのすごさも感じました」

2024年は日本武道館で行われた「NAKAMA to MEETING」からスタート。事務所移籍後も稲垣、香取と刺激を与え合い、仕事が減少した時期を乗り越えた。信念を変えずに草なぎは返り咲いた。

「変わったことは自分でもよく分かっていないです。ただ、変わらなかったことがあるとすれば、好きと楽しいがある方向に行こうという気持ち。それだけは常に変わらなかったなと思っています」

▼半蔵松葉の大女将(おかみ)・お庚役で29年ぶりに共演した小泉今日子

95年の共演時はまだアイドルグループの一員という感じで、失礼ながら、俳優としてはまだ築き上げていない時期でした。フレッシュでかわいらしくて、徐々にキャラクターが大きくなった記憶があります。今思えば、その頃から演じる楽しさやセンスが備わっていたんだと思います。そこから30年経ち、草なぎさんは頼もしく、背中に全部を背負って役を引き受けていて、私たちはその背中を見ながら自分の役を演じられる気がして、すごく誇らしかったです。

◆草なぎ剛(くさなぎ・つよし)

1974年(昭49)7月9日、愛媛県生まれ。87年ジャニーズ事務所に入所し翌年SMAPメンバーに。グループは16年解散。17年稲垣、香取とともに同事務所を退所し「新しい地図」として活動。俳優としてもフジテレビ系主演ドラマ「僕と彼女と彼女の生きる道」「海峡を渡るバイオリン」などが評価され、05年に橋田寿賀子賞受賞。21年に主演映画「ミッドナイトスワン」で自身初の日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞。韓国語が得意で「チョナン・カン」の名で同国の番組にも出演。血液型A。

◆「碁盤斬り」

冤罪(えんざい)事件によって娘と引き裂かれた柳田格之進が武士の誇りを懸け、復讐(ふくしゅう)に向かい、囲碁を武器に鬼気迫る死闘を描く。共演は清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、國村隼ら。

※■(■は弓ヘンに前の旧字体その下に刀)

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