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元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化

NEWSポストセブン / 2024年4月19日 7時15分

伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方(時事通信フォト)

 元横綱・白鵬の宮城野親方のもとで起きた弟子の暴力問題。相撲協会による処分で宮城野部屋は当面閉鎖となり、親方と力士らは伊勢ヶ濱部屋に転籍した。所属力士が約40人に膨れあがり、寝食をともにする相撲部屋だけにすべての面で大きな変化が訪れることになるという。

 力士らの引っ越しが完了後、初の朝稽古は4時間半という超長丁場になった。力士らは昼までかかった稽古後に風呂に入り、その後にちゃんことなるが、伊勢ヶ濱部屋では1食のために炊く米の量が3升から6升に増えたという。協会関係者が言う。

「ちゃんこについては、相撲部屋それぞれで受け継がれてきた味や特徴がある。白鵬が師匠だった宮城野部屋はタニマチ(後援者)が太いため、肉や魚などの差し入れが多かった。ちゃんこが豪勢なことでは角界で一番だと言われてきました。それゆえ、転籍話が出た時には、受け入れ先候補となった別の部屋が“ちゃんこに自信がないから”と及び腰になっていたという話があるほど。今回の引っ越しの際にあたっては、宮城野部屋から約30キロの米袋が30ほど持ち込まれたといいます」

 相撲部屋は文字通り力士たちが寝食を共にする場だ。稽古など相撲に直接関係することだけでなく、生活のあらゆる面で変化が生じるので、トラブルも懸念もされる。

 1993年3月には、藤島部屋と二子山部屋が合併し、所属力士62人という今回を上回る大所帯の相撲部屋が誕生していた。元横綱・初代若乃花の二子山親方が定年を迎え、実弟である当時の藤島親方(元大関・貴ノ花)が「二子山」を襲名。もともとの藤島部屋が新・二子山部屋となったわけだが、部屋のおかみさんだった藤田紀子さんはこう振り返る。

「環境が大きく変わることがストレスにつながり、子供たち(弟子の力士たち)の間でイジメなどが起きないか、細心の注意を払っていました。もともとどちらの部屋の出身かで差別してはいけないから、(組み合わせを)ミックスして関取の付け人をさせたりもしました。旧・二子山部屋から来た力士たちはうちの親方の性格を知らないから、親方はいつも通り怒っただけでも、そこまで怒られた経験がないためにマジで落ち込んでしまう子もいました。本当に、いろんな苦労がありました」

2枚の布団に力士が3人

 生活の隅々までが変化するわけだが、紀子さんは「ちゃんこだけは大丈夫でしたね」と話した。

「もちろん食費が倍になるとか、作る量が増えるというのはありますが、2部屋のちゃんこ長が仕切ってくれるので、むしろレパートリーが増える。旧・二子山部屋の伝統のソップ焚き(「ソップ」は鶏ガラの意)も食べられるし、うちのちゃんこの味も喜ばれていましたね。よいところがミックスされて、ちゃんこでの不満はなかった」

 寝食の「食」に問題はなかったが、「寝」には苦労があったとも紀子さんは続ける。

「寝るところは大変でした。場所がないのでリフォームを繰り返し、大部屋でも敷布団を2枚くっつけて3人が寝るような状態。とにかくスペースがないので、大部屋いっぱいに布団を敷き詰め、敷布団(の枚数)に関係なくギュウギュウで寝ていましたね。見えない部分もたくさんあったと思うけど、すべてが大変でした」

 今回の宮城野部屋の伊勢ヶ濱部屋への転籍は、どういった現象を引き起こすのか。

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