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数日放置すればほとんどの炎上は収まる…精神科医「頭のいい人ほどSNS上の悪口や批判に全く反応しない理由」

プレジデントオンライン / 2024年5月3日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/gorodenkoff

SNSの投稿に気持ちをかき乱されたら何を考えるべきか。精神科医の藤野智哉さんはSNS上の悪口や批判には最も注意しなければならないが、数日放置しておけばほとんどの炎上は収まる。ネット上では次から次に新しい話題が提供される。「誰でも15分は世界的な有名人になれる」という言葉があるが、逆を返せば世界が自分に注目してくれるのはその程度ということ。良くも悪くも他人はそんなにあなたに興味をもっていない」という――。

※本稿は、藤野智哉『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

■ネットから距離をとったほうがいいタイミング

「他人とのかかわり」というときに、今の時代、気をつけたほうがいいのはSNSです。

「みんなSNSに反応しすぎ」と思ったりします。

「自分のポストにネガティブなコメントがついて凹んだ」
「勝手にグループLINEをつくられて通知が面倒」
「インスタのキラキラ女子にモヤモヤしてしまう」

こんなふうに、SNSで心がざわつくことって少なくないのではないでしょうか。

幸せそうな人と自分を比べてしまったり、ネガティブな言葉に心が傷ついたり、自分でも気づかないうちにじわじわとダメージを受けてしまったりします。

でもね、幸せをわざわざアピールするのは満たされてない人です。

他人の幸せを数えて妬むより、自分の幸せを数えましょう。

ネガティブな言葉がしんどくなったら、しばらく距離をとってもいい。「SNSを見るのは1日○分以内」と決めるなど、できるだけ減らしてみてください。

たかがSNSを、「たかがSNS」と感じられなくなったときは、ネットから距離をとったほうがいいタイミングです。

たかがSNSです。だって、スマホの電源を落としたらそこでおしまいですからね。それなのに、けっこうダメージを受けてしまう人も多かったりします。

■SNS上の悪口や批判にはリアクションしない

それと「SNSは自分の全部を見せている場所じゃない」という感覚も大事です。

SNSのあなたは、あなたそのものではありません。一部の文章、一部の写真だけが公開されているSNSを見て、あなたのことを理解できるわけがないんです。

こう思えないとしたら、人生においてSNSの比重が高すぎるかもしれません。

そんなときは、リアルの世界を増やすのも手です。友人と会う機会や仕事の飲み会、なんでもいいですがリアルの世界でつながる機会を増やすことです。

リアルでのつながりが増えれば、SNSの比重が減ってきて、そんなに気にならなくなるかもしれません。

そして、SNS上の悪口や批判には最も注意してください。

たとえば、SNSに書いた言葉に突然批判的な言葉が返ってくるとびっくりして反論したくなるかもしれませんが、リアクションしないのがいちばんです。「反論しなきゃ」などと思わなくていいです。

僕自身の話をすれば、4年もX(旧Twitter)をやっているので、炎上したこともあれば、炎上した人を何度も見てきました。そこから言えるのは、「数日放置しておけばほとんどの炎上は収まる」ということです。

ネット上では次から次に新しい話題が提供されます。「誰でも15分は世界的な有名人になれる」という言葉がありますが、逆を返せば世界が自分に注目してくれるのはその程度ということ。良くも悪くも他人はそんなにあなたに興味をもっていません。

傷つけようとしてくる人には、傷ついてないふりを。

悪口を言ってくる人にはスルーでOKです。

■出来事や事実をジャッジする「スキーマ」

何気ないSNSのコメントを読んだり、一枚の写真を見ただけで、なんとなくイヤな感じがしたり、胸がキュッとなることがあるという人がいます。

・楽しそうに働いているポストを見たり、やりがいのある仕事について語っているポストを見ると落ち込んでしまう
・高級ランチやおしゃれなごはんがあふれたインスタを見てイラッとする
・幸せそうな家族写真や家族のエピソードの投稿にモヤモヤする

こんなふうに、別に相手から直接幸せアピールをされていないのに、アピールされているような気がする場合は注意が必要です。

「自分がそう受けとっているだけ」ということもあるからです。

スマホを見ながら落ち込んでいる女子高生
写真=iStock.com/maroke
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/maroke

これには、「スキーマ」がかかわっています。

スキーマとは、考え方や受けとり方にかかわる自分の心のクセのようなものです。

「自分自身や世界を根底のところでどう思っているか」みたいな潜在的な考え方のようなものともいえます。

スキーマには「自分は誰からも愛されない」といった自身に関するものだけでなく「世の中は汚い」のように世界に関するとらえ方などもあります。

人は、この「自分独自のスキーマ」を通して、出来事や事実をジャッジしたり、感情を抱いたりするのです。

同じSNSの投稿を見たとしても、人それぞれのスキーマを通して見たり感じたりするので、人によっては「楽しそう」と感じたり、「幸せを見せつけられている」と感じたりします。

つまり、「自分は誰からも愛されない」というスキーマがあると、家族写真のポストを見て、瞬時に「イヤな気持ち」を抱いてしまったりするのです。

■たわいもないSNS投稿を見ても、苦しく、しんどく感じる理由

SNSで「幸せそうな投稿」をした人は、不特定の人に向けて「幸せそうな家族写真をアップしただけ」です。

誰か一人に向けて「幸せを見せつけている」わけではなかったりします。

ただ、それをわかっていても気持ちをかき乱されるのだとしたら――。

「ネガティブなスキーマが強くなっているのかもしれないな」と、ちょっと疑ってみるのもいいかもしれません。

藤野智哉『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
藤野智哉『「そのままの自分」を生きてみる 精神科医が教える心がラクになるコツ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

スキーマには、「自分は誰からも愛されない」というようなネガティブなスキーマもあれば、「世界は優しい」といったようなポジティブなスキーマもあり、基本的にはどちらもみんなもっています。

ただ、しんどいときなどにはネガティブなものが前に出てきやすくなります。

必要以上に、「私はダメな人間だ」「自分は誰からも愛されない」などと自分のことをネガティブに思うスキーマがあると、たわいもない普通のSNS投稿を見ても、苦しく、しんどく感じることがあったりするのです。

「何気ない投稿を見ただけなのにしんどくなったかも」と思ったら、「私を苦しくしているのは、私のスキーマじゃないかな」と考えてみることも大切だったりします。

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藤野 智哉(ふじの・ともや)
精神科医
産業医。公認心理師。1991年愛知県生まれ。秋田大学医学部卒業。幼少期に罹患した川崎病が原因で、心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。学生時代から激しい運動を制限されるなどの葛藤と闘うなかで、医者の道を志す。精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神神経科勤務のかたわら、医療刑務所の医師としても勤務。障害とともに生きることで学んできた考え方と、精神科医としての知見を発信しており、X(旧ツイッター)フォロワー9万人。「世界一受けたい授業」や「ノンストップサミットコーナー」などメディアへの出演も多数。著書に3.5万部突破の『「誰かのため」に生きすぎない』(ディスカヴァー)『自分を幸せにする「いい加減」の処方せん』(ワニブックス)、『精神科医が教える 生きるのがラクになる脱力レッスン』(三笠書房)などがある。

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(精神科医 藤野 智哉)

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