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「フリーな贅沢」徹底活用で貯金600万円! -年収300万の家計簿【1】

プレジデントオンライン / 2013年7月8日 10時45分

川田家の家計

■川田家の状況
――マイホームを夢に家族で団結

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【年収】348万円【貯蓄額】600万円
【家族構成】[夫]36歳 会社員[妻]34歳 パート勤務[長男]9歳 小学3年生[長女]7歳 小学1年生

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東京から約2時間の郊外都市に住む川田さん一家。10年前に結婚し、腕白ざかりの子供たちと家族4人で賑やかに暮らしている。川田さんの勤務先は地元の中小企業で、年収は手取りで300万円強。週に3日働く妻のパート収入と合わせて、毎月の手取り収入は24万円だ。

ここから毎月3万円を貯金している。ボーナスと合わせて年間78万円の貯金を続け、貯蓄額はすでに600万円に到達した。目的はマイホーム購入だ。

川田家では、7年前に下の子が生まれたときに夫婦で話し合って「今後10年間の将来貯蓄予想表」を作り、貯蓄の達成度を毎年チェックしてきた。子供たちにも「新しいおうちに引っ越そうね」と話している。おかげで今は家族みんなが節約に協力。ベランダ野菜に水をやるのは子供たちの日課だ。

家族旅行は年に1回、夏休みに車でキャンプに出かけている。テントを持って出かけるので、費用はあまりかからない。

貯蓄額が目標の800万円に達するのは3年後の予定。そのうち600万円を頭金にしてマイホームを購入するつもりだ。

■北見久美子FPの診断
――住宅を買っても貯蓄余力あり

2人の子を育てながら、川田家の貯蓄はすでに600万円。金融広報中央委員会の調査では、30代の貯蓄の中央値(全体の真ん中に位置する人の貯蓄額)は200万円(2011年)。川田家の貯蓄額はその3倍だ。

成功の秘訣としてまず挙げられるのは、明確な目標に向かって貯蓄計画を立てていることだ。川田家で作っている「将来貯蓄予想表」は、ファイナンシャル・プランナーが作成する「ライフプラン表」に近い。これは、将来にわたる年表に家族の年齢やイベント(長男が小学校入学など)を入れ、それぞれの年の収入・支出を予想して書き込む一覧表のようなもの。年ごとに予想される収入から支出を引けば可能な貯蓄額がわかり、これを累計すれば、その年までに貯められる貯蓄総額が計算できる。

(PIXTA=写真)

ファイナンシャル・プランナーはパソコンでライフプラン表を作るが、川田家では手計算して、大きな紙に手書きしている。イベントの欄には子供がイラストを描き、みんなで楽しみながら表を作っていく。こうすることで、家族全員が目的を共有できるのだ。毎年4月には貯蓄の達成度をチェック。数字を修正したり書き加えたりして、読みにくくなれば作り直すことにしている。ボロボロになった表は、家族の歴史の大切な記録だ。

日常の家計管理は妻が担当。家計は全般に節約が行き届いてムダがない。夫のこづかい月2万円はやや少なめだが、昼食は弁当持参なので、なんとか足りる。弁当代も含めて食費が月3万4000円ですんでいるのは、実家から野菜や米などの食材をもらえるという理由もある。

川田さんの実家は農家で、両親は兄夫婦と暮らしている。車で1時間ほどの距離なので、少なくとも月に1度は子供たちを連れて顔を見せにいく。子供たちも従兄弟たちと遊ぶのを楽しみにしているようだ。ときには洋服や文房具のお下がりを頂戴することもある。多少ガソリン代がかかるとはいえ、精神的にも物理的にも実家と仲よくするメリットは大きい。

膨らみがちな教育費も月7000円に抑えている。子供たちの習い事は1人1つで、長男は町内のサッカーチームに入り、長女は近所の太鼓教室に通っている。どちらもボランティアが主宰していて月謝は安い。また、道具代があまりかからないのも隠れたポイントだ。大学進学資金はそれぞれ18歳満期の学資保険で準備中。毎月の保険料には2人分の学資保険が含まれる。このほかの保険は夫婦とも最小限の共済だけに加入している。

マイホーム取得は3年後の予定。600万円を頭金にして、諸費用込みで2300万~2400万円ぐらいの住宅を購入するのが目標だ。頭金を少なくすれば今すぐに買うこともできるが、頭金をできるだけ増やして少ない借入金で購入するのが川田さんの方針。もし頭金600万円で2300万円の家を買い、1700万円の住宅ローンを組んだとすれば、返済期間30年、金利2%だと毎月返済額は約6万3000円。現在の家賃5万4000円より増えるが、3年後には下の子も小学校高学年になるので、妻がパートを増やせば十分に対応できるだろう。

下の子が社会人になるころ、川田さんはまだ50代初め。それから準備すれば、老後資金はなんとか間に合いそうだ。

■5倍:この数字の意味は?
――無理せず買える住宅価格の年収から見た倍率

「年収の5倍」はざっくりした目安になるが、頭金や金利といった要素は含まれない。ローン返済の負担から見ると、「ローン返済額が年収の20%以内」が判断の目安になる。

■真似したい節約ワザ
――“フリマ”超活用術

古着や使わない日用品などを持ち寄って売るのがフリマ(フリーマーケット)。交渉次第でほとんどタダのような値段で買えたり、自分では不要なものが意外に高額で売れたりすることもあって人気が高い。公園や公共施設で開催されることが多く、地元の広報誌で告知していることもある。また、ネットで「フリーマーケット」を検索すれば専門サイトに開催情報が掲載されている。なお、使わなくなった日用品などを売買する方法としては、ネットオークションも手軽。すぐに着られなくなる子供服など、積極的に利用したい。

■「危険家計」への落とし穴
――“頭金ゼロ”の甘い罠

「頭金ゼロでOK!」の謳い文句に誘われて、自己資金なしで住宅を買うケースも最近では多い。全額ローンにした場合、借入金が多いので毎月のローン返済額は当然高く、買ってから返済に苦しむことになる。「返済できなければ売ればいい」と考えるかもしれないが、新築住宅の場合、買ったとたんに価値は2割下がるといわれている。このため、全額ローンだと売れても住宅ローンを払いきれず借金だけが残る事態に陥りかねない。「住宅価格の2割」が頭金の目安。購入諸費用と合わせて3割の自己資金を用意するのが理想的だ。

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北見久美子
ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー。個人相談や雑誌のマネー相談など、これまで数千件の家計を見てきた。生活者の視点で提案と情報を発信。

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(マネージャーナリスト 有山 典子 ファイナンシャル・プランナー、消費生活アドバイザー 北見久美子=家計診断 PIXTA=写真)

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