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「休日の部活は嫌」女子中生の3割 公益財団法人調査 緒に就いた「地域移行」は広がるか

産経ニュース / 2024年5月4日 9時0分

休日に部活動をやりたくない中学生は男子で2割超、女子は3割-。公益財団法人「笹川スポーツ財団」が今月、公表した全国調査で「部活離れ」ともいえる数字が明らかになった。少子化で希望する部での活動ができず、部活そのものに魅力を感じない生徒の増加に加え、部活と生活の両立が意識されるようになったことも背景にあるとみられる。こうした状況下、スポーツ庁が推進する、公立中学校の部活動をスポーツクラブなどに委ねる「地域移行」をどう定着させるか。模索が続いている。

同財団はスポーツの実施率などスポーツとのかかわりについて調査した「子ども・青少年のスポーツライフ・データ」を2年ごとに公表している。今回の調査は昨年6~7月にかけて実施し、全国の4~21歳の約3千人から回答を得た。

今回の調査では、休日を先行して部活動の地域移行が進められていることを受け、「平日と休日で違う活動を自由に選べるとしたら、どのように活動したいか」との質問が設けられた。

その結果、休日と平日で同じ活動を希望した生徒は男子53・1%、女子46・4%だった一方、休日は活動したくないという生徒が男子で23・8%、女子で30・0%に上った。休日と平日で違う活動を希望する生徒は男女ともに約2割、「平日も休日も活動したくない」は男女とも3%台だった。

スポーツ庁が推進する休日の部活動の地域移行は、少子化に伴いチームスポーツが困難な学校への対策や、教員の長時間労働の解消が主な目的だ。地方の学校現場では、球技などでチームを組むために必要な部員が集まらない問題が起きており、活動拠点を地域スポーツクラブなど「学校外」に移すことで、希望する部活動ができなかった生徒を後押しする。指導を地域や民間の指導者に指導を依頼することで、教員の長時間労働の是正も狙う。

同財団の鈴木貴大・政策オフィサーは、今回の調査結果について「自由時間が少ないことが不満になっているのではないか」と指摘。休日に活動をしたくない生徒が一定数いることから「休日の活動を減らしたり、兼部を可能にしたりすることで、生徒と教員双方のメリットを満たすことが可能だ」と話した。

一方、地域移行に関するスポーツ庁の有識者会議の一人は「生徒の間でワークライフバランスのようなものが意識されるようになっている」と分析した上で、競技選択の幅が広がり、専門的な指導が受けられるなどのメリットが周知されれば「休日も活動したいという生徒が増え、盛り返すことができるはずだ」とみる。

国は23年度からの3年間を「改革推進期間」と位置付け、自治体に地域移行に向けた段階的な取り組みを促している。スポーツ庁が昨年6~7月、都道府県、市区町村などを対象に実施した調査では、回答のあった1447の自治体のうち40%が既に協議会を設置し、31%が23年度中に設置予定とした。「部活動改革」が前進しつつあることを示す数字で、同庁の担当者は「生徒の多様な志向を受け止めるためにも、部活動を地域に移すことが必要と考えている。地域移行の理念を伝えていきたい」と話した。

ただ、部活動の参加率が下がり続けるようなことがあれば、地域移行そのものが絵に描いた餅になりかねない。部活動、そして地域移行が魅力的な場になるよう、生徒の声に耳を傾けることを忘れてはならない。(石原颯)

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