スティックブラックのさらなる拡大見込む味の素AGF 有望市場と判断するこれだけの理由
食品新聞 / 2024年4月27日 8時45分
味の素AGFは、スティックブラックでさらなる拡大を見込む。
スティックブラックは、インスタントコーヒーを1杯分ずつ個包装したものだが、1杯の便利なブラックコーヒーの認識で支持されていることから同社ではブラックコーヒーのスティックタイプとみなし「ちょっと贅沢な珈琲店」や「ブレンディ」のブランド名で商品を展開し好調に推移している。
3月19日取材に応じた江村治彦コンシューマービジネス部長(現・台湾味の素社総経理)は「スティックブラックはここ5年くらいで、新しいお客様がかなり流入し市場としては20%くらいの割合で伸び続けている」と語る。
インスタントコーヒー市場に占めるブラックスティックの割合は10%程度と推定されることから、さらなる開拓に意欲をのぞかせる。
「店頭のコーヒー棚でスティックブラックが占める割合はまだまだ小さく、売場をしっかりつくれる品揃えが必要。お客様のニーズを満たす製品をしっかり提案していくことが市場を大きく伸ばすポイントだと考えている。中期的には健康価値や産地を訴求する商品などとどんどん広げていくことをイメージしている」との見方を示す。
有望市場と目する理由としては、ユーザーの広がりにある。
江村部長は、ミルク・甘さありの商品が大半を占めるスティックとレギュラコーヒーの両カテゴリーからスティックブラック市場に入ってきていると指摘する。
「スティックのカフェオレユーザーが、スティックのフレーバーバラエティーとして、少し甘さを控えたいということで入ってきている動きもあれば、レギュラーコーヒーユーザーが時短ニーズで入ってきている動きもある。このように複数カテゴリーからお客様が流れてきているのが市場拡大の要因」と分析する。
なお、AGFはこの春夏、温暖化と30代以下の若年層のアイス飲用比率が高い傾向にあることを受けてドライコーヒーを中心とした各カテゴリーでアイス提案を強化していく。
「夏のタイミング、アイス専用品以外のインスタントコーヒーの袋タイプを含めて通常品でもパッケージでアイス飲用を訴求していく。スティックブラックはスプレードライの『ブレンディ』が中心になるかと思う」と説明する。
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