本稿の筆者である僕は長年にわたり、編集者兼ライター/コラムニストを生業としてきた。
毎日のように何らかの文章を綴っているし、他人の書いた文を整えることも多い。そんな仕事柄もあって、読書量は人一倍多いという自覚もある。
つまり曲がりなりにも文章のプロであることを前提に言わせてもらうのだが、この国の入試における国語の問題は、明らかに歪んでいる。
いや、病んでいると言ってもいいのではないだろうか。
来年に高校受験を控える我が子の、国語の勉強のお手伝いをしていると、憤りに近い感情を抱いてしまうことがある。
文章を読んだうえでいくつかの設問に答える問題で、題材となっている短い論説文の中には、途中で投げ出したくなるほど異様に難解なものがあるのだ。