円と四角? おおぐま座の銀河団に属している2つの銀河
sorae.jp / 2023年10月11日 20時5分
こちらは「おおぐま座」(大熊座)の方向約4億5000万光年先にある棒渦巻銀河「LEDA 83465」(右上)と楕円銀河「NGC 3558」(左下)です。LEDA 83465は2本の渦巻腕(渦状腕)の形状によって四角形に見えており、円形に見えるNGC 3558との対比が面白い組み合わせです。
画像を公開した欧州宇宙機関(ESA)によると、2つの銀河は約15万光年程度しか離れていないといいます。私たちが住む天の川銀河の円盤部の直径が約10万光年、お隣の渦巻銀河「アンドロメダ銀河(M31)」までの距離が約250万光年とされていることを考えれば、LEDA 83465とNGC 3558がいかに接近しているかがわかります。
ESAによると、2つの銀河がこれほどまでに接近しているのは「Abell 1185(エイベル1185)」という銀河団に属しているから。銀河団とは数百~数千の銀河からなる巨大な天体のことで、Abell 1185では重力を介して相互作用する大小様々な銀河が直径100万光年ほどの範囲に集まって混雑しているといいます。
銀河どうしが相互作用すると片方の銀河が引き裂かれたり、2つの銀河が衝突・合体して1つの銀河が誕生したりすることもあります。画像に写る左下のNGC 3558はそのような状況にはないように見えますが、過去に右上のLEDA 83465のような比較的小さな銀河を飲み込んだことで、現在観測されているような姿になったと考えられています。
この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope:HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるLEDA 83465とNGC 3558の観測は、Abell 1185における星形成の研究を目的とした調査の一環として2022年11月に実施されたということです。
冒頭の画像はハッブル宇宙望遠鏡の“今週の画像”として、ESAから2023年10月9日付で公開されています。
Source
ESA/Hubble - LINER on collision course文/sorae編集部
この記事に関連するニュース
-
ねじれて広がるダストレーン ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したレンズ状銀河「NGC 4753」
sorae.jp / 2024年5月15日 20時43分
-
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した“うしかい座”の渦巻銀河「UGC 9684」
sorae.jp / 2024年5月7日 21時27分
-
ほのかに渦巻く“おとめ座”の矮小銀河「IC 776」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年4月30日 21時33分
-
幅広の渦巻腕を持つ“はと座”の銀河「ESO 422-41」 ハッブル宇宙望遠鏡が撮影
sorae.jp / 2024年4月23日 19時43分
-
この破線の正体は? ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した銀河の画像に出現
sorae.jp / 2024年4月21日 10時58分
ランキング
-
1ワークマンの「機能的なサンダル」3選 2000円前後で買える、アウトドアでも活躍する優秀アイテム
Fav-Log by ITmedia / 2024年5月18日 9時55分
-
2煮物だけじゃない!スーパーフード並みの栄養価「切り干し大根」の意外な食べ方
週刊女性PRIME / 2024年5月18日 8時0分
-
3ヤマトHDを苦しめる「2024年問題」…大幅減益で株価も大幅下落(小林佳樹)
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年5月18日 9時26分
-
4有毒植物の“誤食”に要注意 死亡例も 農水省が注意喚起
オトナンサー / 2024年5月18日 20時10分
-
5紫式部に好意をもっていたからではない…10年無職だった紫式部の父・為時を藤原道長が大抜擢したワケ
プレジデントオンライン / 2024年5月12日 17時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください