日本人選手の通訳は「パシリ」。大谷と水原氏の関係、ギャンブル依存症につきまとう「嘘」
日刊SPA! / 2024年3月29日 8時49分
水原氏を巡る一連の騒動は、僕ら日本人が「ギャンブル依存症」という病気について学び、理解を深める良い機会になり得る。少なくとも大きな社会的影響力を持つマスメディアには、今回の一件を単なる「スター選手のゴシップ」として報じるのではなく、ギャンブル依存症を社会問題として取り上げる義務がある。
今回の騒動は大谷の「クリーン」なイメージに傷をつけたが、大谷でなければこれほど大きくは報じられなかっただろう。
◆「ロボット」呼ばわりされていた大谷
これまで記者会見の場などであまり多くを語らない大谷は、アメリカの記者から「ロボット」呼ばわりされることもあった。今回の一件は、大谷が「ロボット」ではなく、自分の言葉を持ってファンやメディアと対話することができると示す良い機会かもしれない。
大谷は3月26日に記者会見を開き、渦中の騒動について11分に及ぶ声明を発表したものの、記者からの質問を受け付けなかった。まだ安易にコメントできる状況ではないからだろうが、大谷からの一方的な声明に対しては、コミュニケーションの透明性と双方向性を重視するアメリカのメディアから批判の声も上がった。
◆「アメリカでも尊敬される社会のロールモデル」になってほしい
個人的な考えを述べると、大谷には今回の一件をバネにして今後、単なる「世界最高の野球選手」ではなく「アメリカでも尊敬される社会のロールモデル」になってほしい。たとえば大谷が今後、ギャンブル依存症患者とその家族を支援するチャリティ活動でも始めたら、アメリカのメディアは絶賛するだろう。
もちろん大谷の本業は野球であり、一番は野球で結果を残すことだ。また、もし大谷が会見で語った内容が真実なら、彼は大規模な詐欺の被害者だ。10年7億ドル(約1015億円)という超巨大契約の1年目が始まった直後、ただでさえプレッシャーのかかる時期に信頼する人間に裏切られ、さらに日米のメディアに追い回されている彼の心労は計り知れない。今はとてもチャリティ活動なんて考えられる状況ではないだろう。
それでも今後、大谷がまずはフィールド上で活躍し、その上で自身の体験を活かした何らかの社会的な活動を始めることを、個人的には勝手に期待してしまう。アメリカの一流アスリートは、優れた競技者であるだけでなく社会のロールモデルであることを求められる。だから多くの選手は、貧困や教育、医療などの社会問題にそれぞれのやり方でコミットする。
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