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元SKE48・高柳明音、芸能デビュー15周年の現在地。アイドルから女優へ、あの頃の青春を1万字で振り返る

日刊SPA! / 2024年3月29日 15時50分

◆誰よりも遅い卒業発表。なぜ深夜に?

――組閣が高柳さんの気持ちに良い変化をもたらしていたんですね。それから事務所移籍やソロでのラジオに舞台活動などが始まり、SKE48はグループ結成10周年を迎えます。そして、伝説のミッドナイト卒業発表に続くわけですが……。

高柳:飛んだ(笑)!ホント「何やってんの?」という感じですよね。発表は劇場公演でもよかったんですけど、鈴蘭(山内鈴蘭)とか違うチームの子がいたり、あと真木子(斉藤真木子)や命(内山命)とか同期3人も揃っていたし、もうここだと。唯一、江籠裕奈ちゃんだけいなくて後で怒られました。「なんで私がいないところで!」って言われたんですけど、もうあの場で、この子たちの前で一番言いたかったというか、ここで言いたいと思って。普通に発表したくなかったというのもあって、じゃあ真夜中に発表できるミッドナイト公演でやろうという感じでした。本当にぶっ飛んでいますよね。

――あのとき、周りにすごく気遣いされていたのを感じて。11周年公演のタイミングに被ってしまうと良くないから、タイミングはここしかないと。

高柳:そうだそうだ!よく覚えていますね。

――卒業については前々から考えていたんですか?

高柳:そうですね。ずっと考えてはいたけど……。あとは、ちゃんと自分の卒業コンサートができるタイミングで卒業したいというのと、できれば最後に参加したシングルでソロの楽曲がもらえたら嬉しいと話をしていたので、その辺の兼ね合いでしたね。もともとSKE48の10周年までいようと思っていて、本当は10周年にどーんとお祭りをしたかったけど、いろいろなことがありすぎてできなかったじゃないですか。素直に10周年を喜ぶ雰囲気になれなくて……。それを自分の中で解消できたのが2期生の10周年公演だったんです。SKE48の10周年はある意味一番辛かった時期だったかもしれないですね。

◆「どうしたら幸せになれるんですか?」

――今だから言いますけど、10周年の劇場公演が終わった後、舞台袖で高柳さん……。

高柳:爆泣きしていたときですよね。正直“ナゴヤドーム”(現:バンテリンドームナゴヤ)が見えていたので、「いける!」って思っていたけど、10周年の劇場公演で何の発表もなくて。もうこの空気じゃ……となってしまって。あんな人前で泣いたのは数えるぐらいしかないですね。「もう私はどうしたら幸せになれるんですか?」とか言いながら泣いていましたよね。何をどう頑張れば、この気持ちを晴らすことができるのか……?何も考えられなくなってしまって……。
自分勝手かもしれないけど、あの時期は本当に一人でSKE48の悩みをドーンと抱えていたというか。ここまで守ってきたものが崩れていく音がしてしまって。今いるみんなも頑張ってSKE48を作ってくれているし、でも、どうやってSKE48を守っていいか分からなくなってしまって、自分の悩みとは違う苦しさがありました。自分が選抜にいても、世代交代だといって下げられたこともしんどかったし、毎年ある選抜総選挙もだんだん楽しみきれなくなったり、ファンの人とも上手く交流が噛み合わなくなったりして。そんな悩みがずっとあった中で、あれはどデカイ落とし穴みたいな絶望を感じましたね。今では大分あっさりな記憶になっていますけど、今教えてもらって、そうだったなーと思い出したら……。やっぱり苦しかったなと思います。そのとき話を聞いてくれたのが2期生の2人で、この2人と最後に2期生の10周年を迎えたいと思ったんです。で、ライブをしたら命が先に卒業発表して「お前が先かーい!」ってなりましたけどね(笑)。

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