3度の値上げでも「餃子の王将」が快進撃を続けられるワケ。競合の“格安中華チェーン”にはない強み
日刊SPA! / 2024年4月17日 8時52分
今年度2024年3月期の実績も直営全店売上は925億56百万円(前年比109.1%)、と、通期においても過去最高売上を達成している。ちなみに、客数8万1735人(前年比105.9%)客単価1132円(前年比103.1%)とすべて前年比を上回っている。
また、FC売上を含む全社売上高(決算上の売上高)は、26か月連続で同月比過去最高を更新しており、通期では創業以来初めて1000億円(1009億84百万円)を突破している。顧客からの支持もあり、持続的な安定成長を実現しているようだ。
◆餃子の王将は直営店主体の店舗展開!
2023年3月末の店舗数は732店。そのうち、フランチャイズ加盟店は190店舗。FC比率は26.0%で、直営店主体の店舗展開を行っている。餃子の王将は直営店が多いため、マクドナルドなどFC比率が高い外食企業と違い、各直営店の家賃や人件費の負担が重く、固定費が高いために損益分岐点は高めではある。
そういった費用構造でも、2023年度実績では、営業利益率は標準値の10%には届かないが、8.6%は確保しており、収益力に問題はない。貸借対照表を見て財務状態を分析しても、自己資本比率が74.6%と財務基盤は盤石であり、経営の安定性は評価できる。上場企業だから資本効率(ROEが10%以上なら投資価値があると判断され、5%以上なら合格点、15%以上なら優良企業といわれる)も重要指標として見られるだろうが、餃子の王将のROEは10.20%だから投資家にも一定の評価はされているだろう。ちなみに現在の株価は7700円(24年4月10日時点)である。
直営店の比率が高いと、コロナ禍のように急激な客数の減少が起こると、たちまち営業赤字に転落することがある。しかし、王将は2021年3月期に60億7300万円もの営業利益を出しており、前期と比較し、わずか2割の減益に留めるといった健闘をしている。
なぜそれらを可能にしたのか、その主要因のひとつが、テイクアウト・デリバリーの業容拡大に努めたことであり、コロナ禍に「レンチンシリーズ」の新発売や、デリバリーサービスの対応店舗拡大に動いたことが功を奏したようだ。2021年3月期のテイクアウト・デリバリーの売上高は前期の1.6倍となる246億800万円で、売上高の構成比率は2割から3割に増加しており、コロナ収束後の現在も、テイクアウトは好調を維持している。
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