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テレビ離れのZ世代も見ている「テレビCM」って? タイパ重視のZ世代が惹かれる仕掛けとは

東洋経済オンライン / 2023年12月11日 14時0分

「タイパ」重視のZ世代にテレビCMを見てもらうには?(写真:IYO/PIXTA)

昨今何かと話題のZ世代は、他世代と比較すると特有の価値観を持ち、行動も独特な世代であると解説されることが多いが、本当にそうなのか? 野村総合研究所の「生活者1万人アンケート調査」では、1997年から3年ごとに同一調査項目による調査を継続しており、例えば30年前の若者の価値観・行動と比較した分析により、今のZ世代の特徴を明らかにすることが可能となる。

本稿では、時系列の大規模アンケート調査をベースにまとめた『データで読み解く世代論』を上梓した著者が、Z世代にテレビCMを見てもらうにはどうしたらいいか、具体例を交えて解説する。

Z世代はテレビをつけていても、見ていない

インターネットが普及するにつれ、テレビの視聴時間は減少し、特にZ世代のテレビ視聴時間が短いのは、周知の事実であろう。ただし、それでもまったく見ない、というわけではない。NRI(野村総合研究所)におけるテレビCM効果検証サービスにより蓄積されたデータを分析すると、Z世代のテレビ視聴時間は平日平均で80〜90分ほどはある。

若年層において平日平均で80〜90分の視聴時間は長いと感じる人もいると思うが、大学生を対象としたインタビュー調査では一人暮らしの寂しい時間を紛らわせるために、帰宅したらとりあえずテレビはつける、といったコメントも得られたように、テレビ自体はつけているケースも多い。

しかし肝心なのは、きちんとテレビを見ているか、である。NRIの調査では、テレビはつけているけど、画面は見ずに聞いているだけだとか、他のことに集中しているためにながし聞きしているといった割合はZ世代に多くいた。

一方、NRIの調査ではZ世代におけるインターネット利用時間は平日平均で280〜290分であった。毎日5時間近くもインターネットに触れていることについて、時間で見ると驚きであるが、通勤・通学の移動時間や休憩時間などの隙間時間にスマホをいじっている様子を見ると、塵積(ちりつも)で5時間近くになるのは納得できる。Twitter(現X)やInstagramなどのSNSやYouTubeやNetflixなどの動画サービスの利用時間はZ世代において圧倒的に多い。

Z世代が「タイパ」を重視する背景

Z世代において激増するインターネット利用時間の中で、どのように動画を楽しんでいるのか。そこにはZ世代ならではの「時間が惜しい」および「時間を大切にしたい」志向(タイムパフォーマンス、略して「タイパ」)と絡んで、特殊な動画視聴の在り方が生まれている。

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