ユニクロが「暖冬」でも独り勝ちできるカラクリ 激安衣料店から「世界のユニクロ」へ超絶進化
東洋経済オンライン / 2023年12月12日 7時0分
今年は暖冬でアパレル各社が総崩れになると予測されているのですが、先ごろ発表されたユニクロの11月の月次売上高は前年同期比10%増と「独り勝ち」と言っていい好調な数字をはじき出しました。
【イギリスのユニクロ店舗内】品ぞろえも店舗作りも日本とそっくり
11月は急に寒気が強まったこともあり、またファーストリテイリング恒例の秋の感謝祭が行われたことから、ユニクロやジーユーで冬物を買い求めた読者の方も多かったのではないでしょうか。私もその一人です。
ユニクロを運営するファーストリテイリングの決算期は8月です。10月12日に発表された2023年度の業績は売上高が前年比20%増、営業利益が同28%増とまさに絶好調です。ただ、ユニクロの感謝祭で買い物をされた読者の皆さんは、店舗である種の”変化”をお感じになったかもしれません。
ユニクロ進化の歴史
経済評論家の視点で申し上げると、ユニクロは徐々に進化を遂げているのですが、つい数年前までの形態からまた一段階、進化形態を変えたようです。皆さんが微妙に気づき始めている変化と、その裏側にある進化について記事にまとめたいと思います。
ユニクロの進化形態はあくまで私が観察して感じている独自の分類なのですが、過去、私の知っているユニクロは4段階で形態を変えてきました。それは、
第1形態:激安衣料品量販店
第2形態:国民的ブーム
第3形態:高機能高ブランド化
第4形態:輸出産業
という進化です。簡単に説明します。
私がユニクロで最初に買い物をしたのが1990年でした。ユニクロはまだ関東には上陸しておらず、私が訪れたのは豊橋の店舗でした。当時のユニクロはとにかく安い衣料が山積みされている量販店で、私は「ロックンロールカフェ」というなんとなくパチモノっぽいロゴが書かれた下着を買って帰ったのを覚えています。
実は帰省の際に服を少なく持ってきてしまい、当座をしのげる服が欲しいと思ってでかけたのがユニクロで、当時はそのようなお店だったということです。
皆さんがよくご存知のユニクロは、おそらく第2形態からでしょう。東京に進出した直後の1999年に1900円のフリースブームが起きて、一躍注目されます。皆がユニクロで買う一方で、当時はアイテム数も少なかったことから、同じ服を着ている人を街で見かけることも多く、国民服と呼ばれていました。
第3形態へどう進化したか
この第2形態の国民的ブームによって、ユニクロのブランドイメージは二極化します。品質の良いカジュアルウェアが安く手に入るというプラスのイメージと、所詮はユニクロだというマイナスのイメージでした。ユニバレという言葉が生まれて「もしユニクロだとバレると恥ずかしい」と考える消費者が多かった状況をどう打破するかが、当時の経営陣の課題でした。
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