「赤羽再開発」飲み屋街一掃よりも大きな問題 説明なくシナリオ示す北区に住民が不信感
東洋経済オンライン / 2023年12月12日 11時40分
北区赤羽といえば首都圏有数のせんべろのまち。その飲み屋街を一掃しようという動きがある。地域を3分割した再開発の計画があり、そのうちの第一地区は2023年10月に市街地再開発組合設立認可申請書を提出しており、認可されるのは時間の問題だ(*)。
さらに、再開発に絡めて赤羽小学校、赤羽会館、赤羽公園といった公共施設再編の動きも出ているが、とりわけ小学校を含む再開発に対して住民が不信感を募らせている。何が起きているのか。
赤羽小学校が飲み屋街に位置するワケ
赤羽に飲みに行ったことがある人なら、飲み屋街に囲まれるように小学校があることをご存じだろう。明治9年(1876年)に開校、147年の歴史を誇る北区立赤羽小学校である。開校当初は寺に間借りしていたが、移転を繰り返し、現在の地に移転したのは明治35年(1902年)のこと。その頃の地図を見ると小学校の周辺は田んぼとなっている。
というのも、明治18年(1885年)に赤羽駅ができるまでこの地の中心地は岩槻街道の宿場町・岩淵だった。町名は「岩淵町」で、赤羽小学校も当初は町はずれにあったのである。
その後、赤羽駅ができたことで工場や陸軍施設などが相次いで誕生。駅周辺が繁華になっていった結果、飲み屋街に囲まれるようになった。もっとも、70~80年前は東京一の商店街と称された、衣類や食品等を販売するごく普通の商店街だった。いまも青果店、呉服店などがわずかに残っているのがその名残である。
それが現在のようなせんべろの街に変わり始めたのは、2011年のエキュート赤羽の開業がきっかけだった。駅中の同業種に街中の商店が勝てるわけはないと、飲み屋に業態を変えた例が多かったと北区区議会の野々山研氏は語る。
そして現在、その飲み屋街一帯で飲み屋街を一掃する3つの再開発計画が進められている。開発自体は民間の発意である。赤羽を訪れたことのある人ならわかるだろうが、建築的に単独での建て替えが難しい区画もあり、かつ権利が複雑に錯綜してもいる。そこで、それらの問題を一度にひっくり返せる手として再開発を選択した。
実は、再開発計画自体は20年以上前にも一度持ち上がったことがある。
「小学校があるのは駅近くの一等地。開発のタネ地としてこれ以上ないほどの好立地で、開発推進派ならこれを動かせたらと思うはず。そこで周囲の飲み屋街を一体化して開発するという計画が持ち上がったのですが、地権者その他関係者が多すぎて頓挫しました。そこで今回は合意を得やすいように地域を3つに分けて進めています」と野々山氏は話す。
飲み屋街はタワマンに変わることに
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