意外と知らない「水の色は透明?青?」への答え 世の中の土台を構成する「化学」という教養
東洋経済オンライン / 2023年12月19日 16時0分
みなさんは、「化学」についてどんなイメージを持っているでしょうか?
「理論や計算、化学式や物質の性質、反応など覚えることが多くあって大変」
「内容に実感がわきにくく、わかったという気持ちになれない」
そんな意見もあるかもしれません。しかし、それを抜きに人間の生活・暮らし・人生を語ることはできないくらい、私たちは化学に支えられて生きているのです。
そのエッセンスを、初学者向けに化学をわかりやすくかみ砕いて解説することに長けた、左巻健男氏による最新刊『化学で世界はすべて読み解ける』よりご紹介します。
水の色は透明? 青色?
地球は表面の約70%が水でおおわれていて、水に満ちているので、「水の惑星」と呼ばれています。
水は浅いと無色透明です。無色透明なのは、太陽の光が全部向こう側に通り抜けるからです。
太陽光は白く見えますが、虹の7色「赤・橙・黄・緑・青・藍・紫」が混ざり合ったものです。アメリカやイギリスでは藍色がない6色としているなど、国によって虹の色に違いがあります。
それらの色のうち、赤い光は、わずかですが水に吸収されます。浅い水では、その影響が非常に小さいので無色透明なのです。
ところが水が深くなると、赤い光が水に吸収され、残りの光が合わさって青色の光になり、水の中を進んでいきます。つまり、海のような深い水では、青色の光だけが海の水に吸収されないで水の中の物質(ごみやプランクトンなど)によって散乱し、私たちの目に届きます。それで私たちの目には、海が青く見えるのです。
地球の表面と大気にある水の量は、14億立方キロメートル(重さで1兆トンの140万倍)と推定されています。その97%以上が海水(塩水)です。
淡水は、地球の水全体の3%未満しかありません。しかも、そのほとんどは、南極、グリーンランドなどにある陸上の氷です。地下水、河川や湖沼などの淡水はごくわずかです。
海水は塩分を大きく減らさないと、人が飲むにも植物への水やりにも使えません。
海水から塩分を減らすには莫大な費用がかかるので、私たちが家庭や工業・農業で利用できる水は、地下水、河川や湖沼など淡水ということになります。
海水も淡水も循環している水の一部です。太陽光が海水に当たると、海水から水が蒸発して水蒸気になり、大気中に含まれます。水蒸気は、雨や雪に姿を変えて、地上に降り注ぎます。そして、最終的には海に流れ込んでいきます。
こうした水の循環があるので、私たちは淡水を使うことができるのです。
「氷は0℃」と思っていませんか?
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