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「幸せな人生イベント」になぜか疲れてしまう理由 元気がなくなるメカニズム「休養学」博士が解説

東洋経済オンライン / 2024年3月31日 9時0分

計算テストや面接などは、それ自体が心理的ストレッサーの「不安」「緊張」に該当しますが、さらに、脳をフル回転させると、体内に熱が生じ老廃物が生まれます。これは化学的ストレッサーに相当します。

どうでしょうか。思ったより広い範囲に、私たちを疲れさせるストレッサーが存在することがわかりますね。特に現代社会では、日々ストレッサーに囲まれて生きているようなものです。

ストレスは生きる張り合いでもある

本来、ストレスは悪いだけとは限りません。ストレスが生きる張り合いになることもありますし、ストレスがないとそれに耐える力は養われません。

問題はストレスが過剰になることです。

私たちの心はゴムボールのようなものだと想像してみて下さい。ゴムボールを指で強く押すと、ボールは凹みます。このときボールに外からかかる力がストレッサーです。ストレスを受けてボールは変形しますが、ボールには外から加わる力を内側から押し返そうとする力があります。この内側から押し返す力をストレス耐性といいます。

私たちの心身にはある程度、ストレス耐性が備わっています。ストレス耐性は鍛えて高めることができます。押し返す力が強くなれば、軽いストレッサーならすぐにはねかえし、もとの丸いボールにもどれるわけです。

しかし体調が悪いときはボールの空気圧が下がっているようなもので、外からの力に負けてしまうこともあります。あるいは今まで経験したことのないような強いストレスは、自分のもつストレス耐性では押し返せないこともあるでしょう。

体の中で何か起きるか

強いストレスがかかると、私たちの体ではさまざまな変化が起きます。

まずストレスがかかると脳の視床下部というところがそれを感知します。その反応は脳下垂体を通る内分泌系と脊髄を通る自律神経系の2つの系に分かれます。

内分泌系も自律神経系も、どちらも直接的には、副腎に影響を与えます。副腎とは、腎臓の上にある小さな臓器で、肉まんのように二重構造になっています。肉まんの皮にあたる部分を「副腎皮質」といい、内側のあんにあたる部分を「副腎髄質」といいます。

内分泌系はまず脳下垂体に影響を与えます。脳下垂体は全身のホルモンのコントロール役を果たしており、体の中のさまざまな機能を調節しています。この脳下垂体の指示によって各所のホルモンが動き出します。

ホルモンとは簡単にいうと、私たちの体で起こった変化を調整し、体をつねに一定の状態に保つための連絡役です。この連絡役は血液に乗って目的の場所まで運ばれます。ホルモンは生命機能を維持するために大切な物質です。

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