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国語の得意な子がやっている意外な読書法とは? 本にアートを掛け合わせ、読書を3倍楽しくする

東洋経済オンライン / 2024年4月3日 15時0分

では、絵や文章を映像化できない子は、もうずっとそのままなのか?というとそうでもありません。根気強くトレーニングをすれば、2次元を3次元に転換する能力は徐々に育ってきますから、諦めずに取り組んであげるといいでしょう。

いきなり読書を楽しませようとしても無理があるので、まずはあらゆる単語や状況がイメージできるようにしてあげるところから始めましょう。読書嫌いの子はたいてい語彙力と一般常識力が不足しています。文章の中に出てくる言葉や事象を知らず、イメージできないから映像化ができないのです。なので、さまざまなものを実際に見せ、体験させながらものの名前や一般常識をどんどん教えてあげるといいのです。

私は「幕の内弁当」という言葉を教えるために、娘を歌舞伎座に連れていき、幕間で実際にお弁当を食べさせながら「幕の内弁当」の由来を語って聞かせました。また、「干潮、満潮」という現象を理解させるため、大潮の日に潮干狩りに連れていったこともあります。

いちいちそんな面倒なことをしなくても口で言えばわかるだろうと思われるでしょうけれど、口頭で説明するだけ、辞書で引かせるだけの知識は、体験ほど強烈な記憶として子どもの中に残ってはくれませんし、言葉そのものに興味を持つきっかけになりません。国語を好きにさせるには、とにかく小さい頃に「言葉を覚えるのって楽しい!」とお子さんに思ってもらう必要があるのです。

そうしてたくさんの言葉を体験と同時にインプットしつつ、毎日行っていただきたいのは大量の絵本の「読み聞かせ」です。一番効果的なのは、お子さんを膝に乗せたり、並んで座るなどして、絵本の文字と絵を見せながら読み聞かせることです。絵本だけでなく、紙芝居を見せたりするのも良いですし、忙しくて時間がない日は、すでに読んだことのある物語が映画化された作品を鑑賞させるのも、文章の映像化力を養うでしょう。

本とアートを掛け合わせて、読書を何倍も楽しむ

私の教室では、アートを用いて「2次元を立体化する力」を鍛えています。例えば、ヨハネス・フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」を鑑賞し、その少女が本当に目の前にいるかのようにイメージしてもらいます。そして、絵の中の少女と対話を始めてもらうのです。

対話の内容はすべて紙に書き出しますから、話の辻褄はあっているか?論理的な会話になっているか?をチェックしながら、生徒と少女の会話が終わるのを見守ります。こうして、動くはずのないもの、しゃべるはずのないものを自分の頭の中で動かしてみる、想像してみるということを繰り返していくと、徐々に立体化ができるようになってきます。

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