「部下の話をよく聞く」上司が最後に口を開く理由 会議を活性化できるリーダーはどこが違うのか
東洋経済オンライン / 2024年4月6日 10時20分
あなたの周りには、最初に自分の意見をとうとうと述べた後で、「それでいいな」と念押ししてくる上司はいないだろうか。
こんなやり方は、意見の多様性を封じるだけでなく、あとで何か起きたときに、上司が「君もあの場にいたんだから、そのときに言えばよかったじゃないか」と言えるようにするためのものでしかない。
そう手厳しく批判するのが、米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」で艦長を務めたマルケ氏だ。では、メンバーから多様な意見を引き出すにはどうしたらいいのか。
マルケ氏がまとめた、リーダーの言い方についての指南書『最後は言い方』から紹介しよう。
最初に発言する人はだれがいいか
意思決定を行うときに避けたいのが、上司が決めたあとで、周囲にそれでいいかと確認するやり方だ。
これは、「君もあの場にいたんだから、そのときに言えばよかったじゃないか」と上司があとから言えるようにするためのものでしかない。
しかも、上司が先に発言してしまうと、下の者には、上司の意見に同調せざるをせないという圧力がかかる。
メンバーからの意見を引き出し、多様な意見を最大限に引き出すには、集団で議論を始める前に、その場にいる人の意見を個々に表明してもらえばいい。
それを実行するやり方には、いくつかあるが、ここでは、投票してから議論するというやり方を、例を使って紹介しよう。
ある企業が、製品の発表を遅らせるかどうかの決断を迫られているとしよう。5日後に発表することはすでに告知ずみだ。
賛成派、反対派、それぞれ言い分とは
スケジュールどおりの発表を支持する人々は、こんな主張をしている。
「約束を守るべきだ」
「早期に市場で試してフィードバックをもらうほうがいい」
「終わらせて祝杯をあげたい」などと主張する。
一方で、発表を遅らせたほうがいいと考える人々は、
「重要な機能の実装が完全ではないし、小さなバグがいくつか残っている」
と主張している。
決断は2択(スケジュールどおりに発表するかしないか)だが、決断に至るまでの意見は2択ではない。
まず、異端児に話してもらおう
ここでパーセントカードの出番だ。パーセントカードとは、1、5、20、50、80、95、99という数字が書かれているカードだ(このカードの活用例はこちらの記事も参照)。
発表を支持する気持ちの強さを、カードの数字で投票してもらえばいい(支持する気持ちが強いほど大きな数字とする)。
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