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わずか3~4年「検診受けなかった」彼に起きた悲劇 40代で死を意識した医師が後輩に遺した「言葉」

東洋経済オンライン / 2024年4月14日 11時20分

がんは、日本人の2人に1人がかかる身近な病気です。早期の段階で見つけて治療をすれば、治る可能性が高い病気です。しかし、諸外国に比べて日本の検診受診率はまだまだ低いのが大きな課題です。

がん検診の目的は、がんを見つけることだけではありません。検診の対象となる人たちの死亡率を低下させることも、目的の1つです。

これまでの研究によって、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの5つのがんは、それぞれ特定の方法で行う検診で早期発見でき、さらに早期に治療することで死亡率が低下することが、科学的に証明されています。

国が定期的な検診を推奨し、自治体が実施しているがん検診をまとめたものによると、検診の費用は自治体や受診者の年齢・収入によって異なりますが、公費補助があるため、比較的安く受けることができます(表)。

(※外部配信先では表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

2020年には「がん治療の開始が4週間遅れると、死亡率が増加する可能性がある」というショッキングな研究結果も、海外で報告されています。

がんは、どれだけ早期に発見し、適切に治療できるかという点が何よりも重要なのです。そのためには、定期的な検診が欠かせません。

なかでも、自営業や主婦の方、退職された方などは、会社員のような「検診に行きましょう」という呼びかけがほとんどないこともあり、つい後回しにしてしまいがちです。

しかし、それでは自分の健康を守ることができません。「自分で自分の健康を守る」という意識を強く持って、定期的な検診を受けてほしいと思います。

3〜4年でがんが進行、手遅れに

筆者が定期的な検診の大切さについて、声を大にしてお伝えしたい背景には、研修医時代に出会った、ある患者さんの言葉があります。

その患者さんは、耳鼻科の開業医として、日々忙しく働いていた40代の男性Bさんでした。耳鼻科を開業して10年、患者さんの健康を第一に、一心不乱で仕事をしてきました。

あるとき、Bさんは、咳が長引いていたことをきっかけに、3〜4年ぶりに病院を受診しました。「大した不調とは思わないけれど、念のため」と思っての受診だったそうです。ところが、久しぶりに受けた検査で、Bさんは末期の肺がんと診断されました。

Bさんは職業柄、食事や運動にも気をつけ、忙しいながらも自らの健康には気を配っていました。タバコも吸っておらず、「まさか自分が肺がんになるなんて、夢にも思わなかった」と言います。

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