「骨盤底筋」を制する者が、美を制する! 誰も教えてくれなかった “デリケートゾーン” のこと
Woman.excite / 2015年8月10日 12時0分
「骨盤」が美と健康に大切な役割を果たしていることは、今やすっかり浸透していますが、「骨盤底筋」の重要性を知っている人は少ないかもしれません。でも実は、この骨盤底筋を意識しているかいないかで、女性の人生が左右される?! ほど “美の要” であることをご存じでしょうか。
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これまであまり語られなかった女性の骨盤底筋のこと、知っておくべき “美の秘密” について、ボディワークプロデューサーのkyo先生にお話を伺います。
ボディワークプロデューサー kyo(小林 亨)先生
そもそも「骨盤底筋」って、どこにあるの?
骨盤底筋(たくさんの筋肉でできているので「骨盤底筋群」と呼ばれることもありますが、ここでは骨盤底筋と呼ぶことにします)は、あまりクローズアップされることも少なく、どこの筋肉かよくわからない人もいるでしょう。若いうちは「中高年になってからの尿もれと関係がある」…そんなイメージではないでしょうか?
「骨盤底筋は、文字からわかるように骨盤の下側にある筋肉です。女性の場合、自転車に乗ってサドルに腰掛けたときに、サドルに当たっている部分がほぼ全部骨盤底筋だと思ってください。普段の生活で、この骨盤底筋を意識している人は少ないですよね。でも、ここを意識できるかできないかで、今後の人生にもとても大きな影響を与えます。この筋肉は、他では類を見ないくらい男女差がありますから、特に女性にとっては美の要なんです」(kyo先生)
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女性にとって、骨盤底筋がどうしてそんなに大切なのかといえば、その役割を考えてみればわかります。人間は2足歩行になったことで、骨盤は下側にぽっかり穴が空いたような構造になってしまいました。その穴から臓器が落ちないように下から支えている筋肉が骨盤底筋。同時に、尿や便、女性なら月経血を排泄する役割。また性交や出産を助ける重要な役目も果たしています。
「支えるには筋肉は強靱でなくてはなりませんが、さまざまな動きに対応するには柔軟さも必要。そのため、骨盤底筋は細かな筋肉を何層にも重ねることで繊細な動きが可能になっています。そう、理想は“弾力のある骨盤底筋”なんですよ!」(kyo先生)
では、男女別に骨盤底筋を見てみましょう。
加齢や運動不足、出産… 「骨盤底筋」が衰えるとどうなるの?
男性と女性では、そもそも骨盤底筋の構造が異なっています。男女では何が違うのかというと・・・
・穴が3つ(尿道・膣・肛門)
・横長で広い。支えているものが多い(腸・膀胱・子宮・卵巣)
【男性】
・穴が1つ(肛門)
・縦長で狭い。支えているものが少ない(腸・膀胱)
「縦に細くて穴が1つという男性の骨盤底筋は、瞬発的にギュッと収縮でき、重いものを持つのにも適しています。対して女性は、支えているものもたくさんある上に、穴が3つで面積が広いため、一気にすべてを収縮させるのに向いていません。素早い動き、大きな力を発揮しにくい弱さから、レディーファーストが生まれたといっても過言ではないと思いますね」(kyo先生)
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そんなふうに複雑な女性の骨盤底筋は、他の筋肉と同じように加齢や運動不足によっていつのまにか衰えて弾力を失ってしまいます。ましてや出産によってダメージを受け、緩む人もいます。そうなると、尿もれどころかさまざまな不調の原因になったり、下腹部がポッコリと出てきたり…。ひどいと“子宮脱(子宮が膣から脱出してしまうこと)”を招きます。骨盤底筋を見くびってはいけない理由はそこにあります。
体幹を支える「骨盤底筋」、若いうちは9cm、衰えると3cmに!
女性の骨盤底筋を詳しく見てみると、本当に複雑にできていることがわかります。次の図は女性の骨盤底筋を下から見たところ。自分の体に置き換えて想像してみてください。すごいでしょう?
骨盤底筋は、排泄や性交の時の感覚からわかるように、尿道、膣、肛門を引き締めたり緩めたりしています。その証拠に、筋肉の一部が肛門で一周、尿道と膣で一周していて、8の字型を描いていますね。女性の骨盤底筋の面積は120〜150平方cmくらいで、若い女性なら9cm程度の厚みがあると言われます。9cm! そんなに厚いとはびっくりです。
骨盤底筋を横から見てみると、3層構造になっていることがわかります。
いちばん深いところ、内臓側にあるのが骨盤腔内の臓器の間を埋める「内骨盤筋膜」。次の層は骨盤内の臓器を持ち上げて支える「骨盤隔膜」、いちばん浅い表面の層、つまり下側から手でも筋肉の動きが感じられるのが「尿生殖隔膜」です。それぞれの層はさらに細かな筋肉で構成されており、とても複雑な構造となっています。
これら3層は、尿道、膣、肛門を収縮させるほかに、腹腔内のインナーユニットと協調して、体幹を安定させる役目も果たしています。骨盤底筋がダメージを受けたり、衰えてしまったりすると9cmもあった骨盤底筋は、わずか3cmほどに薄くなってしまうのだそう! さまざまな不具合が出てくるのもわかります。
「特に日本は、昔に比べて骨盤底筋が早く衰えてしまうライフスタイルになっています。昔は畳の生活、和式トイレ、床の雑巾がけ、草むしりなど、しゃがむという行動、歩く時間も長く、日常生活そのもので骨盤底筋が鍛えられていました。
現代人は便利な家電や交通機関、デスクワーク、椅子に座る生活によって、衰えるのも早くなっているんですよ。しかも昔は、骨盤底筋に弾力のある若いうちに出産するので、ダメージを受けても回復が早かったのですが、現在のように30代40代の出産では、産前産後のケアが必要でしょう」(kyo先生)
フランスでは大人の女性の常識! 骨盤底筋ケア
欧米諸国では、骨盤底筋は女性にとってとても重要だという考え方が広く根付いています。特にその意識が高いのがフランス。フランスでは、妊娠、出産、産後ケアがひとつの流れ。リハビリ施設が一般的に普及していて、産後に関わらず、骨盤底筋ケアにかかる費用は保険が適用されています。
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「フランスなどは、年を重ねても女性らしくありたい、美しくありたいという思いが強い国民性。また、骨盤底筋を鍛えることはホルモンバランスが整うだけでなく、実質的な“膣トレ”にもなるので、パートナーにも喜ばれることは間違いありません。日本女性も、これからはそういった意識を持ってほしいと思いますね」(kyo先生)
弾力のある骨盤底筋なら、生理のコントロールもできる!
また、最近は布ナプキンの普及によって「月経血コントロール」を意識する人がわずかながら増えてきました。よく考えてみると昔の女性は、みんな経血コントロールができていたのですね。
月経血コントロールとは、生理中に膣口を軽く締めて経血を膣の奥や子宮内にためておき、トイレに行ったときに腹圧をかけて一気に排出すること。そんなことができれば、量の多い日にトイレに行けずにハラハラしたりすることもなくなります。
「昔は生理用品もなく、布や脱脂綿を使っていたので、経血が漏れることは必至だったと想像できます。だから自らのコントロールが必要だった。膣を締めたり緩めたりできるような弾力のある骨盤底筋を保つ必要があったんですね。意識的に鍛えれば、誰でもできるようになると思いますよ」(kyo先生)
次回は、骨盤底筋の鍛え方レッスンをお届けします。
http://www.b-i-style.com
画像協力:有限会社ラウンドフラット発行「見るみるわかる 骨盤ナビ」http://www.roundflat.jp/
(蓮見則子)
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